東洋医学の用語『症狀』とは

東洋医学の用語『症狀』とは

症狀の定義

-症狀の定義-

症狀とは、疾病やその他の病的状態に起因して起こり、これに付随して起こる身体的または精神的な変化のことです。症狀は、患者が認識できる主観的なものと、医師が診察や検査で客観的に確認できるものの2つに大別されます。

主観的な症狀には、痛み、発熱、咳、吐き気、下痢、疲労感、食欲不振、不眠などがあります。客観的な症狀には、発疹、腫れ、赤み、熱感、脈拍の異常、血圧の異常、呼吸音の変化、心音の変化などがあります。

症狀は、疾病の診断や治療に重要な手がかりとなります。医師は、患者の訴える症狀を聴取し、診察や検査で客観的な症狀を確認することで、疾病の診断を行います。また、症狀を緩和したり、疾病の進行を遅らせたり、合併症を防いだりする薬や治療法を選択する際にも、症狀は重要な情報となります。

症狀と病証

症狀と病証

症狀は、疾病やその他の病的状態に起因し、これに付随して起こり、適応症またはその根拠を構成する（身体または精神の）現象、環境、または状態の変化です。特定の疾病の特徴的な徴候であり、とくに、現代では、患者が認識できる主観的な適応症に用います。

病証とは、中医がさまざまな症状を整理、統合し、患者の状態を包括的に評価したものです。症狀と病証は、中医診断において重要な要素であり、病証は、患者の状態をより正確に把握し、より適切な治療法を選択するために使用されます。

中医診断において、症狀は、患者の訴えや診察 findingsに基づいて収集されます。病証は、症狀を総合的に分析し、中医理論に基づいて導き出されます。病証は、通常、患者の全身状態、気血水、臓腑、経絡、病因、病機などを考慮して決定されます。

病証は、中医治療において重要な役割を果たします。病証を正確に把握することで、より適切な治療法を選択することができ、治療効果を高めることができます。また、病証は、患者の状態を客観的に評価するための指標として使用され、治療経過を追跡するのにも役立ちます。

症狀の診察

症狀の診察

症狀を診察するには、まず患者から詳しく話を聞く必要があります。患者がどのように感じているか、いつからその症状があるか、他に何か症状があるかなど、できるだけ詳しく聞きましょう。また、患者の年齢、性別、職業、生活習慣などを確認することも大切です。

次に、患者の身体を診察します。脈拍、血圧、体温を測定し、聴診器で心臓や肺の音を聴きます。また、患者の皮膚や粘膜の色、リンパ節の腫れなどをチェックします。

必要に応じて、血液検査、尿検査、画像検査などの検査を行います。検査結果を総合的に判断して、患者がどのような病気なのかを診断します。

症狀を診察する際には、患者の訴えを真摯に受け止め、丁寧に診察することが大切です。また、患者が安心して話せるような雰囲気を作ることも重要です。

症狀に基づく治療

症狀に基づく治療とは、患者の症状を軽減するために治療法を選択するアプローチのことです。このアプローチは、患者の主観的な経験に重点を置いているため、患者中心の治療法であると考えられています。症狀に基づく治療は、さまざまな疾患や症状の治療に用いられています。例えば、痛み、吐き気、嘔吐、下痢、便秘、不安、抑うつなどの症状を軽減するために使用されています。

症狀に基づく治療を行う際には、まず患者の症状を評価することが重要です。症状の評価には、問診、身体診察、検査などさまざまな方法が用いられます。症状を評価した後は、患者の症状を軽減するための治療法を選択します。治療法の選択時には、患者の症状の重症度、患者の年齢や健康状態、患者の治療に対する希望などを考慮することが重要です。

症狀に基づく治療は、患者の症状を軽減し、患者の生活の質を向上させるために役立つ治療法です。しかし、症狀に基づく治療は、患者の症状を軽減するだけで、疾患そのものを治癒するわけではないことに注意することが重要です。