東洋医学用語:心痿
東洋医学の研究家
東洋医学の用語『心痿』について教えてください。
東洋医学を知りたい
心痿とは、心気の熱による痿のことです。下肢の関節弛緩による、患者の自立の妨げを特徴とします。脈痿と同義です。
東洋医学の研究家
心痿の原因は何ですか?
東洋医学を知りたい
心痿の原因は、主に以下の3つです。・心火の亢進によるもの。・陰虚によるもの。・血虚によるもの。
心痿とは?
心痿とは、東洋医学における用語であり、心気の熱による痿のことで、下肢の関節が弛緩し、患者の自立が妨げられる状態を特徴とします。脈痿と同義です。
心痿は、心気の熱が血脈を損傷することで起こります。心気が熱すると血脈が拡張し、血流が滞ります。血流が滞ると、下肢の筋肉や関節に栄養が行き届かなくなり、弛緩してしまいます。これが心痿の主な症状である、下肢の関節弛緩の原因です。
心痿は、下肢の関節弛緩以外にも、動悸、息切れ、胸痛、発汗などの症状を伴うこともあります。また、心痿が進行すると、寝たきりになってしまうこともあります。
心痿の治療は、心気の熱を冷まし、血流を改善することが基本となります。そのため、漢方薬や鍼灸、マッサージなどの治療が行われます。また、心痿の症状を緩和するために、運動療法やリハビリテーションが行われることもあります。
心痿の症状
心痿の症状
心痿の症状は、主に下肢の関節弛緩や、患者の自立を妨げるような症状が現れます。また、脈痿と同義であるため、脈が弱く、血圧が低いといった症状も現れます。具体的には、下肢の関節が緩んで脱臼しやすくなる、歩行障害や立位保持困難、下肢の浮腫、下肢の冷感、脈が弱く、血圧が低い、息切れ、動悸、発汗、不眠、食欲不振、脱力感、疲労感、集中力の低下、記憶力の低下、意欲の低下などがあります。これらの症状は、心気(心臓のエネルギー)の熱によるものであると考えられています。
心痿の原因
-# 心痿の原因
心痿の原因は、中医理論に基づき主に以下の三つに分類される。
-1. 心火亢盛(しんかこうじょう)-
心火亢盛とは、熱が心気を損傷し、心熱が発生することで、心痿を引き起こすことです。これは、ストレスや怒り、不安などの精神的な要因、あるいは、辛味や熱い飲食物を食べ過ぎるなど、過度な刺激物が原因となる場合があります。
-2. 心気不足(しんきぶそく)-
心気不足とは、心気が不足することで、心痿を引き起こすことです。これは、疲れや過労、病後などの身体的な要因、あるいは、悲しみや憂いなどの精神的な要因が原因となる場合があります。
-3. 気血不足(きけつふそく)-
気血不足とは、気血が不足することで、心痿を引き起こすことです。これは、栄養不足や貧血、出血など、身体的な要因が原因となる場合があります。
心痿の治療法
-心痿の治療法-
心痿の治療法は、その原因となっているものを取り除くことが基本です。西洋医学では、心不全や甲状腺機能低下症などの原因疾患を治療することが中心となります。また、漢方薬を用いて、気の巡りを改善し、下肢の筋肉の緊張を回復させる治療法もあります。
漢方薬では、心痿の症状に応じて、さまざまな種類の薬剤が用いられます。気虚による心痿には、気血を補う薬剤が用いられます。血虚による心痿には、血を補う薬剤が用いられます。陰虚による心痿には、陰を補う薬剤が用いられます。また、痰湿による心痿には、痰湿を除去する薬剤が用いられます。
心痿の治療には、薬物療法だけでなく、生活習慣の改善も重要です。規則正しい食事と睡眠、適度な運動を心がけ、ストレスをためないようにすることが大切です。また、心痿の症状を悪化させるような飲酒や喫煙は控えるようにしましょう。