東洋医学の用語『滯頤』について

東洋医学の用語『滯頤』について

滯頤とは何か？

滞頤とは、東洋医学の用語で、乳幼児の流涎が頬を濡らすほどにまで増える症状を指します。生後数か月から1歳頃にかけて多く見られ、原因としては、歯が生え始める時期に歯茎がむずむため、唾液の分泌量が増えることが挙げられます。また、離乳食が始まると、食べ物を噛むことで唾液の分泌量が増加するため、滞頤が起こりやすくなります。

滞頤は、通常は自然に治まることが多く、特別な治療は必要ありません。ただし、流涎がひどくて乳児が不快そうにしていたり、皮膚がただれたりしている場合は、小児科医に相談することが大切です。

滯頤の原因と症状

-滞頤の原因と症状-

滯頤の原因は、脾胃虚弱、腎虚、肝鬱気滞、痰湿などによるものが多く、また、乳児の脾胃が未発達で、消化機能が弱いため、食べ物や飲み物を消化吸収しにくく、停滞しやすいことも原因の一つです。また、歯が生えてくる時期や、離乳食が始まる時期など、口の中や食生活の変化に適応できず、消化不良を起こしやすいことも原因として考えられます。

滯頤の症状としては、乳児の下顎が常に濡れているような状態が続きます。また、口臭が強く、食欲低下や嘔吐、下痢、便秘などの消化器症状を伴うこともあります。さらに、乳児が不機嫌になったり、寝つきが悪くなったりするなどの体調不良を伴うこともあります。

滯頤の治療法

滯頤の治療法

滯頤は、乳児の流涎がひどく、頬が濡れてしまう状態です。東洋医学では、滯頤は、脾胃虚弱、気虚、痰湿などの原因により起こると考えられています。滞頤の治療法としては、脾胃を補う薬物や、痰湿を除去する薬物が使用されます。また、食事療法や生活習慣の改善も大切です。

滯頤の治療には、以下の方法があります。

1. 薬物療法脾胃虚弱、気虚、痰湿などの原因に応じて、漢方薬が処方されます。
2. 食事療法脾胃に負担をかけない食事を心がけます。油っこいものや甘いものは控え、温かいものを食べましょう。
3. 生活習慣の改善規則正しい生活を心がけ、適度な運動をしましょう。また、ストレスを溜めないことも大切です。

滯頤は、適切な治療を受ければ、改善することが多いです。しかし、放置しておくと、様々な合併症を引き起こす可能性があります。そのため、滯頤の症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

滯頤の予防法

-滯頤の予防法-

滯頤の予防法には、以下のものがあります。

* -離乳食を開始する時期-
乳児が4～6ヶ月齢になったら、離乳食を開始します。離乳食を開始することで、母乳やミルク以外の食べ物を摂取することができ、唾液の分泌量が増加して滞頤を予防することができます。

* -食事内容-
離乳食は、柔らかく消化しやすいものを選びます。硬いものや繊維質が多いものは、唾液の分泌を妨げることがあるので避けます。また、辛いものや酸っぱいものも避けてください。これらは唾液の分泌を減少させ、滞頤を悪化させる可能性があります。

* -食事の姿勢-
乳児の食事は、上体を起こして座らせて食べさせます。横になったり、抱っこしたりしながら食べさせると、唾液がうまく分泌されず、滞頤が起こりやすくなります。

* -口腔ケア-
乳児の口腔内に汚れが残っていると、細菌が繁殖して滞頤の原因になることがあります。そのため、乳児の口腔内を清潔に保つことが大切です。歯が生えてきたら、歯磨きも開始します。

* -環境-
滞頤は、乾燥した環境でも起こりやすくなります。そのため、乳児が過ごす環境の湿度を適度に保つことが大切です。また、乳児の頭や顔を冷やさないように注意してください。

これらの予防法を心がけても、滞頤が起こることがあります。その場合は、小児科医に相談してください。