東洋医学の用語『心陰虛(陰虚により陽を抑制できない心臓の病的変化)』

東洋医学の用語『心陰虛(陰虚により陽を抑制できない心臓の病的変化)』

心陰虛とは?

心陰虛とは、東洋医学の用語で、心臓の病的変化を指します。心臓は、人体の生命維持に欠かせない臓器であり、気血を全身に巡らせる役割を持っています。心陰虛になると、心臓の機能が低下し、さまざまな症状が現れます。

心陰虛の主な原因は、陰虚です。陰とは、身体を潤し、冷やす作用を持つもので、血や津液などを指します。陰虚になると、身体が潤いを失い、熱がこもりやすくなります。心臓は、もともと熱を帯びやすい臓器ですが、陰虚になると、さらに熱がこもるようになり、心臓の機能が低下します。

心陰虛の症状としては、精神不安定、不眠、寝汗、掌および足の裏の熱感などが挙げられます。また、動悸や息切れ、胸痛、口渇、便秘などの症状が現れることもあります。

心陰虛の治療は、陰を補うことを目的として行われます。陰を補うためには、滋陰薬と呼ばれる薬剤を使用したり、陰を補う作用のある食品を摂取したりします。また、十分な睡眠と適度な運動、ストレスを避けることも重要です。

心陰虛の治療

心陰虛の治療

心陰虚は、東洋医学における病的な症状の一つです。心臓の陰液が不足して陽液が相対的に優勢になることで、精神不安定、不眠、寝汗、掌および足の裏の熱感などの症状が現れます。東洋医学の理論に基づいて、心陰虚の治療には滋陰降火を基本とします。滋陰とは、陰液を補うことで、降火とは、陽液を下げることです。

心陰虚の治療には、主に漢方薬と鍼灸治療が行われます。漢方薬には、心陰を補い、陽を抑える効果があるものが多く使用されます。代表的な漢方薬には、天王補心丹、杞菊地黄丸、酸棗仁湯などがあります。鍼灸治療では、心の経絡にあるツボを刺激することで、心陰を補い、陽を抑える効果が期待できます。

心陰虚の治療には、生活習慣の改善も重要です。不規則な生活や睡眠不足、過度なストレスなどは、心陰虚を悪化させる要因となります。十分な睡眠をとる、規則正しい生活を送る、ストレスをためないようにするなど、生活習慣を改善することで、心陰虚の症状を緩和することができます。