東洋医学の胎氣上逆とは?
東洋医学の研究家
東洋医学の用語『胎氣上逆』とは、妊娠中に腹部と喉頭に圧迫感があり、喘息や過敏症を伴うこともある状態のことを言います。
東洋医学を知りたい
胎氣上逆は、妊娠中のどの時期に起こるのでしょうか?
東洋医学の研究家
胎氣上逆は、妊娠初期から中期にかけて起こることが多いです。妊娠後期に起こることはあまりありません。
東洋医学を知りたい
胎氣上逆の原因は何でしょうか?
胎氣上逆とは何か
胎氣上逆とは、妊娠中に腹部および喉頭に圧迫感を感じ、喘鳴や易刺激性を伴う症状のことです。妊娠性苦悶感または胎氣の上逆と同義です。胎氣上逆は、妊娠初期から後期までのどの時期にも起こりえますが、妊娠中期に最も多く見られます。症状は通常、軽度から中等度ですが、重症化して呼吸困難や嘔吐を伴うこともあります。胎氣上逆の原因は完全には解明されていませんが、妊娠中のホルモンの変化や子宮の拡大などが関係していると考えられています。胎氣上逆の治療法は確立されていませんが、症状を軽減するために、休息をとったり、ゆったりとした服装をしたり、漢方薬を服用したりすることがあります。
胎氣上逆の症状
胎氣上逆の症状
胎氣上逆の症状は、腹部と喉頭の圧迫感、喘息または喘鳴、易刺激性などが挙げられます。また、吐き気や嘔吐、便秘、頻尿、頭痛、疲労などの症状を伴うこともあります。これらの症状は、妊娠中期から後期にかけて、特に妊娠後期に悪化することが多く、妊娠中の女性の日常生活に支障をきたすこともあります。
胎氣上逆の原因は、胎児の成長に伴って子宮が大きくなり、腹部や横隔膜を圧迫することや、妊娠に伴うホルモンバランスの変化などが考えられています。また、ストレスや疲労、睡眠不足なども胎氣上逆の症状を悪化させる要因となります。
胎氣上逆の原因
胎氣上逆の原因は十分に解明されていませんが、いくつか考えられているものがあります。
一つは、妊娠中に黄体ホルモンの分泌量が増加することによるものです。黄体ホルモンは、子宮壁を厚くして胎児を保護したり、乳汁の分泌を促進したりする働きがありますが、同時に、胃腸の働きを弱めたり、気管支を収縮させたりする作用もあります。そのため、妊娠中には胃腸の不調や呼吸困難を起こしやすくなります。
もう一つは、胎児の成長に伴い、子宮が大きくなって横隔膜を圧迫することで起こると考えられています。横隔膜は、胸腔と腹腔を分けている筋肉ですが、胎児の成長に伴い、子宮が大きくなって横隔膜を圧迫すると、横隔膜が下がってきます。そのため、肺が圧迫されて呼吸がしづらくなったり、胃腸が圧迫されて消化不良を起こしたりするようになります。
また、妊娠初期のつわりが続いている場合や、妊娠中のストレスや不安が強い場合にも、胎氣上逆を起こしやすくなると言われています。
胎氣上逆の治療法
胎氣上逆は、妊娠中に腹部や喉頭の圧迫感を感じ、息切れや過敏症を伴う場合があります。妊娠性苦悶感や胎気の上逆とも呼ばれます。治療法としては、安静にすることが重要です。また、医師と相談の上で、漢方薬や鍼灸治療を受けることもできます。
漢方薬では、胎氣上逆の症状を改善する効果があるとされるものがいくつかあります。代表的なものは、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)や加味逍遙散(かみしょうようさん)です。当帰芍薬散は、血行を改善し、気の流れを良くする効果があると言われています。加味逍遙散は、自律神経のバランスを整え、精神を安定させる効果があると言われています。
鍼灸治療も、胎氣上逆の症状を改善する効果があると言われています。鍼灸治療では、ツボを刺激することで、気の流れを整え、血行を改善します。また、鍼灸治療には、リラックス効果もあるため、精神を安定させる効果も期待できます。
胎氣上逆の症状がひどい場合は、医師と相談の上で、適切な治療を受けるようにしましょう。