東洋医学の用語『拇指同身寸』とは?
東洋医学の研究家
『拇指同身寸(患者の親指の指関節の幅を1寸とした測定単位。)』とは、どのような意味でしょうか。
東洋医学を知りたい
患者さん自身の親指の指関節の幅を1寸とした測定単位のことですね。
東洋医学の研究家
その通りです。『拇指同身寸』は、患者の親指の指関節の幅を1寸とした測定単位で、主に東洋医学で使用される測定単位です。この単位は、患者の体格や体質に合わせて測定するため、より正確な診断や治療を行うことができます。
東洋医学を知りたい
なるほど、患者の体格や体質に合わせて測定できるのはいいですね。東洋医学では、この単位をどのように使用するのでしょうか?
拇指同身寸の定義と由来
拇指同身寸の定義と由来
拇指同身寸とは、東洋医学において用いられる測定単位であり、患者の親指の指関節の幅を1寸としたものである。この測定単位は、人体の各部位の大きさを測定するために使用され、特に経穴の位置を決定する際に重要視されている。拇指同身寸は、中国の春秋時代(紀元前770年~紀元前476年)に活躍した医家である扁鵲によって考案されたと言われている。扁鵲は、人体の各部位の大きさを正確に測定するために、患者の親指の指関節の幅を1寸とした測定単位を考案したのである。拇指同身寸は、その後、中国の医学書である『黄帝内経』に記載され、東洋医学の重要な測定単位として定着した。
拇指同身寸の測り方
拇指同身寸を測るにはまず、患者の手を伸ばしてもらい、親指と人差し指を直角に開きます。次に、親指と人差し指の指関節の幅をノギスで測ります。この幅が拇指同身寸です。拇指同身寸は、患者の体長の約1/10とされています。そのため、拇指同身寸を測ることで、患者の体長の目安を立てることができます。また、拇指同身寸は、ツボの位置を特定するためにも使用されます。ツボの位置は、拇指同身寸を基準として決められています。そのため、拇指同身寸を正しく測ることができれば、ツボの位置を正確に特定することができます。
拇指同身寸の応用
拇指同身寸とは、患者の親指の指関節の幅を1寸とした測定単位です。東洋医学では、拇指同身寸を様々な身体の測定に使用します。
拇指同身寸の応用として最も有名なのは、脈診です。脈診では、患者の人差し指、中指、薬指、小指の4本の指に拇指を当て、それぞれの指の脈を診ます。脈の強さ、速さ、リズムなどから、患者の健康状態を判断します。
拇指同身寸は、また、経穴の位置を測定するのにも使用されます。経穴とは、身体の表面にあるツボのことです。経穴に鍼を刺したり、灸をすえることで、患者の症状を改善することができます。
さらに、拇指同身寸は、薬の分量を測定するのにも使用されます。漢方薬は、生薬と呼ばれる天然の素材を原料とした薬です。生薬の分量は、拇指同身寸を使用して測定します。
このように、拇指同身寸は、東洋医学において重要な測定単位です。
拇指同身寸の歴史と文化
拇指同身寸の歴史と文化
拇指同身寸は、中国に古くから伝わる東洋医学の用語です。患者の親指の指関節の幅を1寸とした測定単位で、体の各部位の長さを測るのに用いられます。拇指同身寸は、中国の伝統医学である中医学の理論に基づいており、体の各部位には特定の寸法があると考えられています。この寸法を測ることで、体のバランスや病気を診断することができます。
拇指同身寸の歴史は古く、古代中国の黄帝内経にすでに記載されています。黄帝内経は、中国の医学の古典であり、2,000年以上前に書かれたと考えられています。黄帝内経には、拇指同身寸を用いて体の各部位の長さを測る方法が詳しく記載されています。また、拇指同身寸を使って病気を診断する方法も記載されており、この寸法が中医学において重要な役割を果たしていることがわかります。
拇指同身寸は、中国だけでなく、日本や韓国などの東アジア諸国にも伝わり、伝統医学として受け継がれてきました。日本では、拇指同身寸は「寸法」と呼ばれ、体の各部位の長さを測るのに用いられました。また、寸法を使って病気を診断する方法も伝わっており、明治時代までは広く行われていました。しかし、現代では西洋医学が主流となり、寸法を用いた診断法はほとんど行われなくなりました。
しかし、拇指同身寸は、中国や日本、韓国などの伝統医学において重要な役割を果たしてきた単位であり、その歴史と文化は非常に興味深いものです。拇指同身寸について知ることで、東アジアの伝統医学への理解を深めることができます。