東洋医学の『胞衣不下』

東洋医学の『胞衣不下』

胞衣不下の意味と症状

-胞衣不下の意味と症状-

胞衣不下とは、出産後も胎盤が子宮の中に残っている状態のことです。正常な分娩では、胎盤は出産後30分以内に出産されます。しかし、何らかの原因で胎盤が子宮内に残ってしまうと、胞衣不下となります。

胞衣不下は、出産後の出血、下腹痛、悪寒、発熱などの症状を引き起こします。また、胎盤内に細菌が繁殖して感染症を引き起こすこともあります。

胞衣不下は、胎盤の付着が悪かったり、子宮収縮が弱かったり、分娩操作が長引いたりしたときに起こりやすくなります。また、多胎妊娠、羊水過多、妊娠高血圧症候群などの合併症がある場合にも起こりやすくなります。

胞衣不下が疑われる場合は、超音波検査や用手検査が行われます。診断が確定したら、胎盤を摘出する手術が行われます。胎盤摘出後は、抗菌薬を投与して感染症を予防します。

胞衣不下は、重篤な合併症を引き起こす可能性があるため、早急な診断と治療が必要です。

胞衣不下の原因と治療

胞衣不下の原因と治療

胞衣不下の原因は、主に以下の3つです。

1. 子宮収縮不全子宮の収縮力が弱いと、胎盤が子宮壁から剥がれにくくなります。
2. 胎盤癒着胎盤が子宮壁に強く癒着していると、剥がれにくくなります。
3. 多胎妊娠双胎や三胎妊娠などの場合、子宮の収縮力が分散するため、胎盤の剥がれにくくなることがあります。

胞衣不下の治療は、主に以下の3つです。

1. 子宮収縮剤の投与子宮の収縮力を強めて、胎盤の剥がれを促します。
2. 子宮内手技子宮内に手を入れて、胎盤を剥がします。
3. 手術子宮を切開して、胎盤を摘出します。

胞衣不下は、適切な治療を受けなければ、母体に重篤な合併症を引き起こす可能性があります。そのため、胞衣不下の疑いがある場合は、すぐに医療機関を受診することが大切です。

胞衣不下を防ぐためにできること

胞衣不下を防ぐためにできること

胞衣不下を防ぐためにできることはいくつかあります。そのうちのいくつかをご紹介します。

* -規則正しい食生活と生活習慣を心がける-バランスの取れた食事を摂り、十分な睡眠をとることが大切です。また、ストレスを溜め込まないようにすることも大切です。
* -適度な運動をする-適度な運動は、血行を促進し、出産をスムーズにする効果があります。ただし、無理をしないように注意しましょう。
* -妊娠中は定期検診を受ける-妊娠中は定期的に検診を受け、胎児の状態をチェックしてもらいます。また、胞衣の状態についてもチェックしてもらいましょう。
* -医師の指示に従う-妊娠中は、医師の指示に従って、薬を服用したり、安静にしたりすることが大切です。

これらのことを心がけることで、胞衣不下のリスクを減らすことができます。

胞衣不下の東洋医学的な見解

胞衣不下の東洋医学的な見解

東洋医学では、胞衣不下は、産後の女性の身体に胎盤が残留することで起こる産後合併症の一種と考えられています。胞衣不下の主な原因は、女性の身体が弱いこと、または出産時に胎盤が正しく排出されなかったことと考えられています。また、胞衣不下を引き起こす要因として、子宮の冷え、気血の不足、腎精の虚弱などが挙げられます。

胞衣不下の症状としては、出血、悪臭、腹痛などがみられます。また、胞衣不下が長引くと、貧血、感染症、不妊症などの合併症を引き起こす可能性があります。

胞衣不下の治療には、漢方薬や鍼灸などの東洋医学的な治療法が用いられます。漢方薬としては、血行を改善する薬や、子宮を収縮させる薬などが用いられます。鍼灸治療では、胞衣不下を引き起こしているツボを刺激することで、症状の改善を図ります。

胞衣不下の予防には、産後の女性の身体を冷やさないこと、気血を補う食事を摂ること、腎精を温めることが大切です。また、出産後に十分な休息をとることも重要です。