東洋医学用語『寒濕困脾』について

東洋医学用語『寒濕困脾』について

東洋医学の研究家

東洋医学の用語『寒濕困脾(過剰な寒湿が脾陽を害する病的変化。cold-dampnessaccumulatinginthespleenと同義。)』について教えてください。

東洋医学を知りたい

『寒濕困脾』とは、過剰な寒湿により脾陽が損傷した状態を指します。脾陽は、脾の機能を維持するために必要な陽気であり、消化吸収、水液代謝、免疫機能などを担っています。寒湿が過剰になると、脾陽が損傷し、これらの機能が低下してしまいます。

東洋医学の研究家

『寒濕困脾』の症状には、どのようなものがありますか?

東洋医学を知りたい

『寒濕困脾』の症状には、下痢、腹痛、嘔吐、食欲不振、倦怠感、浮腫、関節痛、冷感などがあります。また、脾陽の低下により、免疫機能が低下し、風邪をひきやすくなったり、慢性疾患にかかりやすくなったりすることもあります。

寒濕困脾とは何か?

寒濕困脾とは何か?

寒濕困脾とは、東洋医学の用語で過剰な寒湿が脾陽(脾の陽気)を害する病的変化のことを指します。脾陽とは、脾の機能を維持するためのエネルギーのことです。寒湿とは、寒さと湿気のことです。寒湿が過剰になると、脾陽を傷つけ、脾の機能が低下します。脾の機能が低下すると、食べ物の消化吸収が悪くなり、栄養が体内に取り込まれなくなります。また、水の代謝が悪くなり、体内に水分の停滞が起こります。寒濕困脾は、脾の機能を低下させ、様々な症状を引き起こす病気です。

寒濕困脾の症状

寒濕困脾の症状

-寒濕困脾の症状-

寒濕困脾は、脾陽を傷つける過剰な寒湿による病的変化です。脾陽が傷つくと、脾の運化機能が低下し、水湿の停滞や気滞、血瘀などが起こりやすくなります。

寒濕困脾の主な症状は、以下の通りです。

* 倦怠感
* 食欲不振
* 下痢
* 腹痛
* 腹胀
* 嘔吐
* 悪寒
* 発熱
* 関節痛
* 頭痛
* めまい
* 動悸
* 息切れ
* 浮腫

これらの症状は、寒濕困脾の程度や、個人の体質によって異なります。また、寒濕困脾は、他の病態と複雑に絡み合っていることが多く、症状が複雑になることもあります。

寒濕困脾は、脾陽を温補し、水湿を化解して排出することで治療を行います。漢方薬や鍼灸、食養生などが用いられます。

寒濕困脾の原因

寒濕困脾の原因

寒濕困脾の原因

寒濕困脾は、寒邪と湿邪が脾を侵すことで起こる病証です。寒邪は、寒い環境に長時間さらされたり、冷たいものを飲食したりすることで体内に侵入します。湿邪は、梅雨や夏場の高温多湿な環境、水分の摂りすぎ、運動不足などによって体内に生じます。

寒邪と湿邪が脾を侵すことで、脾の陽気が阻害され、脾の運化機能が低下します。脾の運化機能が低下すると、水湿の代謝が滞り、水湿が体内に停滞します。水湿が体内に停滞すると、下痢、嘔吐、腹痛、腹満感、食欲不振、倦怠感、浮腫などの症状が現れます。

また、寒濕困脾は、脾の陽気を損傷することで、脾の免疫機能を低下させます。脾の免疫機能が低下すると、細菌やウイルスなどの病原体の侵入を許しやすくなり、感染症にかかりやすくなります。

寒濕困脾の治療法

寒濕困脾の治療法

寒濕困脾の治療法

寒濕困脾の治療には、主に以下の方法が用いられます。

・温補脾陽
脾陽を温めて補うことで、脾の機能を高め、寒湿を駆逐します。このためには、生姜や胡椒、肉桂などの温性の生薬を用いた漢方薬が処方されます。

・祛寒除濕
寒湿を駆逐することで、脾の機能を高めます。このためには、蒼朮や白朮、茯苓などの利水渗湿作用のある生薬を用いた漢方薬が処方されます。

・健脾益気
脾の気を補うことで、脾の機能を高めます。このためには、人参や当帰、黄耆などの補気益血作用のある生薬を用いた漢方薬が処方されます。

・理気化痰
寒湿によって生じた痰を化解することで、脾の機能を高めます。このためには、陳皮や半夏、茯苓などの理気化痰作用のある生薬を用いた漢方薬が処方されます。

寒濕困脾の治療は、患者の状態に合わせて、複数の治療法を組み合わせることが多いです。また、治療期間は、患者の状態や病状の程度によって異なりますが、一般的には数週間から数ヶ月かかります。

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