東洋医学の用語『散寒祛濕』について
東洋医学の研究家
『散寒祛濕』は東洋医学の用語ですが、意味がわかりますか?
東洋医学を知りたい
寒邪を取り除き、湿邪を乾燥させる治療法のことだと思います。
東洋医学の研究家
その通りです。『散寒』は寒邪を取り除くという意味で、『祛濕』は湿邪を乾燥させるという意味です。寒邪と湿邪が同時に存在する状態を『寒湿阻証』といい、『散寒祛濕』は寒湿阻証を治療する方法です。
東洋医学を知りたい
寒湿阻証を治療する『散寒祛濕』について理解しました。ありがとうございます。
散寒祛濕の意味
-散寒祛濕の意味-
東洋医学において、散寒祛濕とは、辛温薬を用いて、寒邪を消散させ、湿邪を乾燥させて、寒湿阻証を治療する方法です。寒湿阻証とは、寒邪と湿邪が合わさって生じる証候で、感冒、関節炎、リュウマチ、婦人科疾患、皮膚疾患など、さまざまな症状を引き起こします。
散寒祛濕の目的は、寒邪と湿邪を除去して、気血の運行を改善し、臓腑の機能を正常化することです。辛温薬には、風邪の治療薬として知られる葛根湯や麻黄湯、関節痛やリュウマチの治療薬として知られる桂枝芍薬湯や独活寄生湯、婦人科疾患の治療薬として知られる当帰芍薬散や芎帰調血飲など、さまざまな種類があります。
散寒祛濕は、寒邪と湿邪が原因と考えられるさまざまな症状の治療に用いられます。風邪、関節痛、リュウマチ、婦人科疾患、皮膚疾患など、さまざまな症状に効果があります。ただし、散寒祛濕は、体質や症状によって適した薬剤が異なります。そのため、散寒祛濕を行う際には、必ず医師や漢方薬剤師に相談することが大切です。
散寒祛濕に用いられる漢方薬
散寒祛濕に用いられる漢方薬は、主に温熱性と辛味の薬剤である。
その代表的なものとして、麻黄、桂皮、生姜、附子、呉茱萸、羌活、独活、柴胡、防風、荊芥、薄荷、辛夷、細辛、蒼耳子、威霊仙、川芎、紅花、当帰、芍薬などがある。
これらの薬剤は、それぞれ異なる作用を持っており、寒邪を消散させ、湿邪を乾燥させることで、寒湿阻証を治療する。
例えば、麻黄は発汗作用があり、桂皮は温熱性があり、生姜は温中止嘔作用がある。
また、附子は温熱性があり、鎮静作用がある。呉茱萸は温熱性があり、健胃作用がある。
羌活は温熱性があり、祛風湿作用がある。独活は温熱性があり、祛風湿作用がある。
柴胡は発汗作用があり、解熱作用がある。防風は温熱性があり、祛風湿作用がある。
荊芥は温熱性があり、祛風湿作用がある。薄荷は清涼性があり、駆風作用がある。
辛夷は温熱性があり、散寒作用がある。細辛は温熱性があり、散寒作用がある。
蒼耳子は温熱性があり、祛風湿作用がある。威霊仙は温熱性があり、祛風湿作用がある。
川芎は温熱性があり、活血作用がある。紅花は温熱性があり、活血作用がある。
当帰は温熱性があり、補血作用がある。芍薬は清涼性があり、鎮痛作用がある。
これらの薬剤は、単独で使用されるよりも、複数の薬剤を組み合わせることで、より効果的に寒湿阻証を治療することができる。
散寒祛濕の適応症
-散寒祛濕の適応症-
散寒祛濕法は、寒邪と湿邪が表裏一体となって発症し、表裏同病の状態にある場合に適応される。
主な症状は、悪寒、発熱、頭痛、筋肉痛、関節痛、下痢、嘔吐、腹痛、食欲不振、疲労感などである。
また、舌苔が白く厚く、脈が遅くて弱いなどの症状がみられることもある。
散寒祛濕法は、辛温解表薬と利湿薬を組み合わせた薬方を使用する。
辛温解表薬は、麻黄、桂皮、生薑、細辛などの生薬が用いられ、発汗作用があり、表邪を解して寒邪を散らす作用がある。
利湿薬は、蒼朮、茯苓、白朮、猪苓などの生薬が用いられ、利水作用があり、湿邪を乾燥させて体外に排出する作用がある。
散寒祛濕法は、風邪、インフルエンザ、急性気管支炎、急性胃腸炎、下痢、嘔吐、腹痛、食欲不振、疲労感などの治療によく用いられる。
散寒祛濕の注意点
散寒祛濕の注意点
散寒祛濕は、寒邪と湿邪を同時に治療する方法です。寒邪は、寒さの邪気で、湿邪は、湿気の邪気です。寒湿阻証は、寒邪と湿邪が同時に存在する状態であり、身体の気の流れを阻害して、さまざまな症状を引き起こします。
散寒祛濕には、辛温薬と呼ばれる温性の薬物が使用されます。辛温薬は、寒邪と湿邪を消散させ、気の流れを改善する効果があります。しかし、辛温薬は、使いすぎると身体を熱くしすぎて、熱証を引き起こすことがあります。熱証は、身体が熱を持ちすぎて、のぼせや口渇などの症状を引き起こす状態です。
そのため、散寒祛濕を行う際は、辛温薬の量を適切にコントロールすることが大切です。また、辛温薬は、身体を温める効果があるため、夏場や暑い地方では、身体を冷やすように注意する必要があります。
散寒祛濕は、寒湿阻証を治療する有効な方法ですが、適切な方法で行うことが大切です。散寒祛濕を行う際は、医師や薬剤師に相談して、適切な量と飲み方を指導してもらうようにしましょう。