東洋医学の用語「腎虛水泛證」について
東洋医学の研究家
『腎虛水泛證(腎気不足により気化できず、水があふれだすときに生じる証で、水腫(とくに下肢)とともに乏尿、耳鳴、背部および膝の酸痛、白・滑苔を伴う淡白舌および弱脈を特徴とする。)』の症状は?
東洋医学を知りたい
水腫(とくに下肢)、乏尿、耳鳴、背部および膝の酸痛、白・滑苔を伴う淡白舌および弱脈です。
東洋医学の研究家
『腎虛水泛證』の原因は?
東洋医学を知りたい
腎気不足です。
腎虛水泛證とは何か
腎虛水泛證とは、東洋医学の用語で、腎気不足により気化できず、水があふれだすときに生じる証のことです。水腫(とくに下肢)、および乏尿、耳鳴り、背部および膝の酸痛、白・滑苔を伴う淡白舌および弱脈を特徴とします。
腎虛水泛證は、腎虚(腎の機能低下)により、水分の代謝が滞り、水腫が生じると考えられています。水腫は、主に下肢に現れますが、全身に広がることもあります。乏尿は、腎虚により尿の生成が少なくなるためです。
耳鳴りは、腎虚により、腎精が不足し、聴覚が低下するためです。背部および膝の酸痛は、腎虚により、腎気(腎の働きによって生み出される気)が不足し、腰や膝の筋肉が弱くなるためです。
白・滑苔を伴う淡白舌は、腎虚により、舌の表面が白っぽく、滑らかになるためです。弱脈は、腎虚により、脈が弱くなるためです。
腎虛水泛證の症状
腎虛水泛證の症状
腎虛水泛證の症状は、水腫(とくに下肢)、乏尿、耳鳴、背部および膝の酸痛、白・滑苔を伴う淡白舌、弱脈などがあります。水腫とは、体内の水分量が増加して、むくみを生じる状態のことを指します。乏尿とは、尿の量が減少する状態のことを指します。耳鳴とは、耳の中で音が聞こえる状態のことを指します。背部および膝の酸痛とは、背部や膝に痛みやこわばりがある状態のことを指します。白・滑苔を伴う淡白舌とは、舌が白く、つるつるしており、淡泊な味である状態のことを指します。弱脈とは、脈が弱く、触れにくい状態のことを指します。
腎虛水泛證の原因
腎虛水泛證の原因は、主に脾虚と腎虚の両者が相互に影響し合って生じる証であると考えられている。脾虚は、脾臓の機能が低下して、水分の代謝をうまく行うことができなくなる状態である。腎虚は、腎臓の機能が低下して、水の排出をうまく行うことができなくなる状態である。脾虚と腎虚が同時に発生すると、水分の代謝と排泄がうまく行われないため、水腫が生じる。また、脾虚と腎虚は、どちらも気血の生成に影響を与えるため、気血の虚弱を伴う場合が多い。気血の虚弱は、乏尿、耳鳴、背部および膝の酸痛などの症状を引き起こす。さらに、脾虚と腎虚は、どちらも陰虚を伴う場合が多く、陰虚は、白・滑苔を伴う淡白舌および弱脈などの症状を引き起こす。
腎虛水泛證の治療法
-腎虛水泛證の治療法-
腎虛水泛證の治療法は、主に漢方薬を用いた治療が行われます。漢方薬は、自然界にある動植物や鉱物を原料とした薬物であり、体全体のバランスを整えて病気を治すことを目的としています。腎虛水泛證の治療に使用される漢方薬には、次のようなものがあります。
* -補中益気湯(ほちゅうえっきとう)-気虚を補い、元気を回復させる漢方薬です。腎虛水泛證の初期に用いられることが多く、食欲不振や倦怠感、下痢などの症状を改善します。
* -六味地黄丸(ろくみじおうがん)-腎を補い、陰虚を潤す漢方薬です。腎虛水泛證の進行期に用いられることが多く、水腫や耳鳴、背部および膝の酸痛などの症状を改善します。
* -真武湯(しんぶとう)-腎陽を温め、水気を蒸散させる漢方薬です。腎虛水泛證の末期に用いられることが多く、水腫や腹水などの症状を改善します。
また、腎虛水泛證の治療には、食事療法や運動療法も重要です。食事療法では、利尿作用のある食品や、腎臓に負担をかける食品を避けることが大切です。運動療法では、適度な運動を行うことで、水分の排出を促進することができます。