東洋医学の用語『氣不攝血』について

東洋医学の用語『氣不攝血』について

氣不攝血とは何か

-氣不攝血とは何か-

氣不攝血とは、東洋医学における病態の概念の一つです。氣虚の病的変化で、氣による津（血を含む）の保持が不能となる状態を指します。

氣虚とは、氣が不足した状態であり、全身の機能が低下したり、免疫力が低下したりするなどの症状が現れます。氣不攝血は、氣虚がさらに進行した状態で、氣が不足しているために津を保持することができなくなり、血が体外に漏れ出したり、内臓に溜まったりするなどの症状が現れます。

氣不攝血の症状としては、出血、瘀血、水腫、下痢、嘔吐、動悸、息切れ、疲労感、倦怠感などがあります。また、氣不攝血は、他の病態を引き起こすこともあります。例えば、氣不攝血がひどくなると、氣血兩虚や瘀血證に至り、さらに悪化すると、死に至ることもあります。

氣不攝血の治療としては、氣を補う漢方を服用したり、鍼灸治療を受けたりすることがあります。また、食生活や生活習慣を見直して、氣を養うようにすることが大切です。

氣不攝血の原因

氣不攝血の原因は、いくつかの要素が考えられています。

・-氣虚-
氣不攝血は、氣虚が原因で起こると考えられています。氣虚とは、氣が不足している状態であり、氣が不足すると、津（血を含む）を保持することができなくなり、氣不攝血の状態となります。

・-血虛-
血虚とは、血が不足している状態であり、血虚も氣不攝血の原因となります。血が不足すると、氣が津を保持することができなくなり、氣不攝血の状態となります。

・-熱邪-
熱邪とは、熱邪（熱による邪気）が体内に侵入することによって生じる状態であり、熱邪も氣不攝血の原因となります。熱邪が体内に侵入すると、氣が消耗され、津が損傷され、氣不攝血の状態となります。

・-湿邪-
湿邪とは、湿邪（湿気による邪気）が体内に侵入することによって生じる状態であり、湿邪も氣不攝血の原因となります。湿邪が体内に侵入すると、氣が滞り、津が凝結され、氣不攝血の状態となります。

・-血瘀-
血瘀とは、血が滞っている状態であり、血瘀も氣不攝血の原因となります。血が滞ると、氣が滞り、津が凝結され、氣不攝血の状態となります。

氣不攝血の症状

氣不攝血の症状

氣不攝血は、気虚の病的変化で、気による津（血を含む）の保持が不能となる状態です。この状態になると、様々な症状が現れます。

まず、出血が多くなります。これは、気力が弱まって血を保持できなくなるためです。また、貧血や低血圧などの症状も現れます。さらに、動悸や息切れ、疲れやすさなどの症状も現れます。

また、氣不攝血になると、免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなります。さらに、精神的な症状が現れることもあります。例えば、不安や抑うつ、イライラなどの症状が現れます。

氣不攝血は、様々な症状を引き起こす病気です。この病気になると、日常生活に支障をきたすことがあります。そのため、早期に治療することが大切です。

氣不攝血の治療法

氣不攝血の治療法

氣不攝血の治療法は、主に気の働きを高める薬を用いて、津液の保持機能を回復させることを目的とします。具体的には、補気薬である黄耆、人参、白朮、茯苓などを用いることが多く、また、津液を補う薬である当帰、芍薬、生地黄なども併用されます。

また、氣不攝血は、出血傾向を伴うことが多いので、止血薬である地楡、仙鶴草、益母草なども用いられます。さらに、氣不攝血は、しばしば気虚と血虚を併発するので、補気補血薬である四君子湯や八珍湯なども適応となります。

なお、氣不攝血の治療にあたっては、患者の体質や症状に合わせて薬を選択することが重要です。また、食事療法や運動療法なども併用して、総合的に治療を行うことが大切です。