東洋医学用語『肝腎陰虚』について
東洋医学の研究家
東洋医学の用語『肝腎陰虛(肝臓と腎臓における陰津の不足により、関連する体成分や内臓を滋養できない病的変化。虚火証を生じる。)』について、説明してください。
東洋医学を知りたい
肝腎陰虛とは、肝臓と腎臓の陰津が不足して、関連する体成分や内臓を滋養できない病的変化のことを言います。虚火証を生じることがあります。
東洋医学の研究家
もう少し具体的に、肝腎陰虛の症状を教えてください。
東洋医学を知りたい
肝腎陰虛の症状としては、のぼせ、ほてり、口渇、盗汗、失眠、腰痛、膝痛、耳鳴り、目のかすみなどがあります。
肝腎陰虚の症状
-肝腎陰虚の症状-
肝腎陰虚の主な症状は、めまい、耳鳴り、視力低下、腰痛、膝の痛み、不眠、イライラ、口の渇き、便秘、尿の減少などです。また、肝腎陰虚になると、火気が盛んになり、虚火証を生じやすくなります。虚火証の症状としては、のぼせ、ほてり、発汗、口内炎、舌の赤み、脈の速さなどが挙げられます。
肝腎陰虚は、主に加齢やストレス、過労、睡眠不足、不健康な食生活などが原因で起こります。また、肝臓や腎臓の病気によっても起こることがあります。
肝腎陰虚を改善するには、まず生活習慣を見直すことが大切です。規則正しい生活を送るようにし、十分な睡眠をとるようにしましょう。また、ストレスをためないようにすることも大切です。食生活では、滋陰養血効果のある食品を積極的に摂るようにしましょう。また、アルコールやタバコは控えましょう。
肝腎陰虚を改善するための漢方薬には、次のようなものがあります。
* 六味地黄丸肝腎を滋養し、虚火を鎮める効果があります。
* 当帰芍薬散肝血を補い、虚火を鎮める効果があります。
* 柴胡桂枝湯肝鬱を疏泄し、虚火を鎮める効果があります。
* 知柏地黄丸陰虚を補い、虚火を鎮める効果があります。
肝腎陰虚の症状でお悩みの方は、漢方薬を服用する前に医師にご相談ください。
肝腎陰虚の原因
肝腎陰虚の原因
肝腎陰虚を引き起こす原因は、主に以下の3つがあげられます。
一つ目は、過労やストレスによるものです。過労やストレスが続くと、体内の陰津が消耗されてしまいます。すると、肝臓と腎臓の陰津が不足して、肝腎陰虚が起こります。
二つ目は、不摂生な食生活によるものです。偏食や食べすぎ、飲みすぎなどの不摂生な食生活は、体内の陰津を消耗させます。すると、肝臓と腎臓の陰津が不足して、肝腎陰虚が起こります。
三つ目は、病後や産後の回復期によるものです。病後や産後は、体力が低下していて陰津が不足しがちです。すると、肝臓と腎臓の陰津がさらに不足して、肝腎陰虚が起こります。
肝腎陰虚の治療法
-肝腎陰虚の治療法-
肝腎陰虚の治療法には、中医薬による治療と食餌療法の2つがあります。
-中医薬による治療-
中医薬による治療では、肝腎陰虚の症状に合わせて、補肝腎陰薬(肝臓と腎臓の陰津を補う薬)や清虚火薬(虚火を清める薬)などが処方されます。
代表的な補肝腎陰薬としては、六味地黄丸や杞菊地黄丸、当帰芍薬散などがあります。
代表的な清虚火薬としては、黄連解毒湯や梔子柏皮湯、知柏地黄丸などがあります。
-食餌療法-
肝腎陰虚の方は、以下の食品を積極的に摂取するとよいでしょう。
* 黒豆
* くるみ
* ごま
* 山芋
* クコの実
* 菊花
* 枸杞
* 山薬
* 鉄皮石斛
* 黄精
また、以下の食品は控えめにしたほうがよいでしょう。
* 辛いもの
* 酸っぱいもの
* しょっぱいもの
* 揚げ物
* 油っこいもの
* 甘いもの
* アルコール
* カフェイン
肝腎陰虚の治療には、中医薬による治療と食餌療法の両方が重要です。中医薬による治療で症状を緩和させながら、食餌療法で体質を改善していくことで、根本的な治療を目指します。