東洋医学用語「大腸濕熱證」とは？

東洋医学用語「大腸濕熱證」とは？

大腸濕熱證の病態

大腸濕熱證は、膿性の便血の排出、腹痛、裏急後重、少量の暗黒色の尿、黄・膩苔および数・滑脈を特徴とする証です。大腸濕熱證の病態は、湿熱が腸管で滞り、腸管の粘膜が炎症を起こして損傷したものです。これにより、膿性の便血や腹痛などが起こります。また、大腸の蠕動運動が低下して、便が滞留し、裏急後重などの症状が出現します。

濕熱は、湿と熱の邪気であり、湿邪と熱邪が合わさった状態をいいます。湿邪は、水分の停滞や停滞した水分の蓄積によって引き起こされ、熱邪は、炎症や感染などの状態によって引き起こされます。濕熱は、腸管に停滞すると、腸管の粘膜を損傷して炎症を起こし、大腸濕熱證の症状を引き起こします。

大腸濕熱證の治療は、湿熱を除去し、腸管の粘膜を修復し、大腸の蠕動運動を改善することが目的となります。湿熱を除去するためには消炎薬や抗菌薬が用いられ、腸管の粘膜を修復するためには粘膜修復薬が用いられます。また、大腸の蠕動運動を改善するためには下剤や浣腸が用いられます。

大腸濕熱證の症状

大腸濕熱證の症状

大腸濕熱證は、膿性の便血の排出、腹痛、裏急後重、少量の暗黒色の尿、黄・膩苔および数・滑脈を主な症状とする証です。膿性の便血の排出とは、便に膿が混じり、血便を伴うことを意味します。腹痛とは、腹部に痛みがあることを意味します。裏急後重とは、排便時に肛門が熱く灼けつくような痛みと、排便後も残る不快感があることを意味します。少量の暗黒色の尿とは、尿の量が少なく、色が濃く、濁っていることを意味します。黄・膩苔とは、舌苔が黄色く、油っぽく、べとついていることを意味します。数・滑脈とは、脈拍が早く、滑らかであることを意味します。これらの症状に加えて、大腸濕熱證の患者は、発熱、口渇、悪寒、頭痛、倦怠感、食欲不振、吐き気、下痢、腹満感、肛門周囲の灼熱感、排便困難などを伴うこともあります。

大腸濕熱證の治療

大腸濕熱證の治療

大腸濕熱證の治療には、清熱解毒、利湿瀉熱、滋陰益気を基本とし、証候に応じて証候鑑別に基づいて加減する。

清熱解毒熱を冷まし、毒を解毒する薬物を使用する。代表的な薬物には、黄連、黄芩、金銀花、蒲公英などがある。

利湿瀉熱湿気を除き、熱を瀉す薬物を使用する。代表的な薬物には、茯苓、猪苓、沢瀉、苡仁などがある。

滋陰益気陰を滋し、気を益す薬物を使用する。代表的な薬物には、当帰、熟地黄、山薬、黄耆などがある。

証候に応じて証候鑑別に基づいて加減する大腸濕熱證は、熱証、湿証、陰虚証など、さまざまな証候が複雑に絡み合っていることが多い。そのため、証候鑑別をしっかりと行い、それに応じて薬物を選定することが重要である。

大腸濕熱證の治療期間は、証候の改善状況に応じて異なる。一般的には、1〜2週間の治療で症状が改善するが、慢性的な場合は、長期の治療が必要になることもある。

大腸濕熱證の予防

大腸濕熱證の病態

大腸濕熱證は、熱証と濕証が同時に存在する証候であり、その病態は複雑です。大腸濕熱證の主な病因には、湿熱の侵襲、脾胃虚弱、肝鬱気滞などがあります。湿熱の侵襲は、大腸の湿熱化を招き、下痢、膿血便、腹痛などの症状を引き起こします。脾胃虚弱は、大腸の運化機能を低下させ、湿熱を停滞させます。肝鬱気滞は、気機が鬱滞して熱を化し、湿熱を助長します。これらの病因が相互に作用して、大腸濕熱證を発症させます。