東洋医学の用語『疫癘』について

東洋医学の用語『疫癘』について

東洋医学の用語『疫癘』について

東洋医学の研究家

東洋医学の用語『疫癘(感染性の強い流行性疾患の総称。)』について、詳しく教えて下さい。

東洋医学を知りたい

疫癘とは、感染性の強い流行性疾患の総称です。疫病と癘気が合わさった言葉で、どちらも伝染性の強い病気という意味です。疫癘は、空気感染、接触感染、経口感染など、さまざまな経路で感染します。

東洋医学の研究家

疫癘の症状には、どのようなものがありますか？

東洋医学を知りたい

疫癘の症状は、感染経路や病原体によって異なりますが、一般的には、発熱、咳、鼻水、頭痛、筋肉痛、倦怠感、下痢、嘔吐などがあります。重症化すると、肺炎、脳炎、心不全などを引き起こすこともあります。

疫癘の概念

疫癘とは、感染性の強い流行性疾患の総称である。疫癘の概念は、古代中国の文献『黄帝内経』に初めて登場する。

『黄帝内経』では、疫癘は「六淫」の一つとされ、風、寒、暑、湿、燥、火の六つの外邪が人体に侵入することで発症すると考えられていた。

疫癘の症状は、発熱、咳、下痢、嘔吐など様々である。疫癘は、死亡率が高い疾患であることが多く、古代中国では、疫癘の流行は大きな社会問題となっていた。

疫癘の治療法は、疫癘の原因である六淫を除去することである。そのため、疫癘の治療には、発汗剤や下剤、解熱剤などが使用されていた。

疫癘の予防法は、六淫から身を守ることであった。そのため、疫癘の流行時には、外出を控えたり、マスクを着用したりするなどの対策が行われていた。

疫癘の原因

東洋医学において、疫癘の原因は、外感六淫（がいかんろくいん）と呼ばれる六つの病邪によると考えられています。外感六淫とは、風・寒・暑・湿・燥・火のことで、それぞれが異なる症状を引き起こします。例えば、風邪は風の邪気によるもので、鼻水や咳などの症状が出ます。

また、外感六淫以外にも、疫癘を引き起こす原因として、飲食不節、労役過多、情志不遂など、人間の生活習慣や精神状態も関係していると考えられています。例えば、暴飲暴食や睡眠不足などが続くと、免疫力が低下して疫癘にかかりやすくなると言われています。

さらに、東洋医学では、疫癘の原因として、邪気が人体の正気を侵すことも挙げられます。正気とは、人間の生命活動を維持する力のことです。邪気が正気を侵すと、人間の免疫力が低下して疫癘にかかりやすくなると考えられています。

疫癘の原因は、一概には特定できませんが、東洋医学では、外感六淫、飲食不節、労役過多、情志不遂、邪気などの様々な要因が関与していると考えられています。

疫癘の症状

疫癘の症状は、その原因となる病原体によって異なりますが、共通する症状として、発熱、咳、鼻水、喉の痛みなどが挙げられます。また、下痢や嘔吐を伴う場合もあります。重症化すると、肺炎や脳炎などを併発することもあります。

疫癘の症状は、感染してから数日～数週間後に発症することが多く、潜伏期間が長いのが特徴です。また、感染しても症状が現れない場合や、軽い症状ですむ場合もあります。

疫癘は、感染力が強く、人から人へと簡単に感染します。感染経路は、空気感染、接触感染、飛沫感染のいずれかです。空気感染は、病原体を含む飛沫が空気中に拡散して感染するもので、咳やくしゃみをするときに発生します。接触感染は、病原体が付着した物に触れることで感染するもので、ドアノブや手すりなどによく見られます。飛沫感染は、病原体を含む飛沫が直接口や鼻に入ることで感染するものです。

疫癘を防ぐためには、手洗いやうがいを励行し、咳やくしゃみをする際には口や鼻を覆うようにすることが大切です。また、感染症が流行している地域への渡航を避けることも重要です。