東洋医学の用語『氣分濕熱證』について

東洋医学の用語『氣分濕熱證』について

氣分濕熱證とは

-氣分濕熱證とは-

氣分濕熱證とは、東洋医学の用語で、湿熱邪が気分に侵入するときに生じる証です。湿熱邪とは、湿邪と熱邪が合わさった邪気のことを指し、気分とは、気分を司る臓器である脾と肺を指します。

氣分濕熱證の主な症状としては、発熱や悪寒、倦怠感、頭痛、食欲不振、下痢、黄疸、動かしにくい四肢、悪心や嘔吐などがあります。また、舌が赤く黄色の苔が付着し、脈が速く滑らかになることも特徴です。

氣分濕熱證は、湿邪と熱邪が合わさって発生する証であり、脾と肺が侵されることで様々な症状を引き起こします。治療としては、湿邪と熱邪を同時に取り除くことが重要であり、漢方薬や鍼灸、食事療法などが行われます。

氣分濕熱證の症状

氣分濕熱證の症状

氣分濕熱證は、湿熱邪が気分に侵入するときに生じる証であり、身熱不揚、胸悶および腹部膨満、黄疸、動かしにくい四肢、悪心および嘔吐、黄・膩苔を伴う紅舌および数・滑脈を特徴とする。

身熱不揚とは、身体の熱が上昇して不快感がある状態であり、胸悶とは、胸が詰まったような感じがある状態である。腹部膨満とは、お腹が張ったような感じがある状態であり、黄疸とは、皮膚や白目が黄色くなる状態である。動かしにくい四肢とは、手足が重くて動かしにくい状態であり、悪心とは、吐き気がする状態である。嘔吐とは、吐く状態であり、黄・膩苔とは、舌に黄色の苔が厚く付着している状態である。紅舌とは、舌が赤い状態であり、数・滑脈とは、脈が速くて滑らかな状態である。

氣分濕熱證の原因

-氣分濕熱證の原因-

氣分濕熱證は、湿熱邪が気分に侵入することで生じる証です。湿熱邪とは、湿邪と熱邪が合わさった病邪のことで、蒸し暑い気候や湿気の多い環境にさらされることで発生しやすくなります。また、過労やストレス、不摂生な食生活なども湿熱邪を助長する要因となります。

湿熱邪が気分に侵入すると、身熱不揚（微熱が続く状態）、胸悶（胸のつかえ）、腹部膨満、黄疸（皮膚や眼球が黄色くなる）、動かしにくい四肢、悪心や嘔吐、黄・膩苔を伴う紅舌（舌が赤く苔が黄色く厚い）、数・滑脈（脈が速く滑らか）などの症状が現れます。

氣分濕熱證は、湿熱邪が気分に侵入して生じる証であり、蒸し暑い気候や湿気の多い環境にさらされることで発生しやすくなります。また、過労やストレス、不摂生な食生活なども湿熱邪を助長する要因となります。

氣分濕熱證の治療法

-氣分濕熱證の治療法-

氣分濕熱證の治療には、清熱化濕健脾の治法が用いられます。清熱剤としては、銀翹散、板藍根、連翹、黄蓮、黄芩、黄柏などがあり、化濕剤としては、蒼朮、茯苓、陳皮、半夏、苡仁、薏苡仁などがあり、健脾剤としては、人参、白朮、茯苓、扁豆、山薬などがあげられます。

症状に応じて、これらの薬剤を組み合わせて使用します。また、治療期間は、症状の改善状況に応じて異なりますが、通常は2～4週間です。

清熱化濕健脾の治法以外にも、氣分濕熱證には、鍼灸治療や推拿治療も有効とされています。鍼灸治療では、患者の症状に応じて、太衝、曲池、三陰交、血海などのツボに鍼灸を刺して、熱を冷まし、濕を化し、脾を健全にします。推拿治療では、患者の症状に応じて、摩、推、擦、捏などの手法を用いて、熱を冷まし、濕を化し、脾を健全にします。

いずれの治療法も、医師や鍼灸師、推拿師の指導のもと、正しく行うことが大切です。