東洋医学用語『陽虛氣滯證』の解説
東洋医学の研究家
東洋医学の用語『陽虛氣滯證』について説明してください。
東洋医学を知りたい
『陽虛氣滯證』とは、陽虚による気滞の証で、悪寒、四肢の冷え、面色蒼白、胸部、心窩部、腹部の疼痛を伴う膨満、腹鳴、便溏、長時間の清澄尿の排出、淡白・胖大舌および遅・沈・弱脈が発現する証のことです。
東洋医学の研究家
『陽虛氣滯證』の原因は何だと思いますか?
東洋医学を知りたい
『陽虛氣滯證』の原因としては、陽虚、気滞、血瘀などが考えられます。陽虚とは、陽気が不足した状態のことで、気滞とは、気の巡りが滞った状態のことです。
陽虚による気滞の証とは?
陽虚による気滞の証とは、東洋医学における病態のことで、陽虚(体のエネルギーが不足している状態)によって、気滞(気の滞り)が生じる状態を指します。悪寒、四肢の冷え、面色蒼白、胸部、心窩部、腹部の疼痛を伴う膨満、腹鳴、便溏、長時間の清澄尿の排出、淡白・胖大舌および遅・沈・弱脈が発現する特徴があります。
陽虚による気滞の証は、主に脾虚(脾の機能が低下している状態)や腎虚(腎の機能が低下している状態)によって生じると考えられています。脾虚の場合は、水分の代謝がうまくいかず、湿邪(湿気の邪気)が体内に停滞して気滞を引き起こし、腎虚の場合は、気化作用が低下して気滞が生じるとされています。
陽虚による気滞の証の症状
-陽虚による気滞の証の症状-
陽虚による気滞の証の症状には、悪寒、四肢の冷え、面色蒼白、胸部、心窩部、腹部の疼痛を伴う膨満、腹鳴、便溏、長時間の清澄尿の排出、淡白・胖大舌および遅・沈・弱脈などが発現する。
悪寒は、寒気にさらされるとすぐに体が冷えてしまう状態であり、四肢の冷えは、手足が常に冷たく感じられる状態である。面色蒼白は、顔色が青白く、血色が悪い状態であり、胸部や心窩部、腹部の疼痛を伴う膨満は、胸やみぞおち、お腹が張って痛みを伴う状態である。腹鳴は、お腹が鳴る状態であり、便溏は、便がゆるく、下痢に近い状態である。長時間の清澄尿の排出は、尿が長時間透明な状態が続き、淡白・胖大舌は、舌の色が薄く、舌が大きくて厚い状態である。遅・沈・弱脈は、脈が遅く、弱く、沈んでいる状態であり、これらの症状がすべて発現すると、陽虚による気滞の証と診断される。
陽虚による気滞の証の治療法
-陽虚による気滞の証の治療法-
陽虚による気滞の証の治療法は、主に薬物治療と非薬物治療の2つに分けられます。薬物治療では、気血の巡りを良くし、陽気を補う薬物が使用されます。非薬物治療では、鍼灸やマッサージ、食生活の改善などが行われます。
-薬物治療-
薬物治療では、気血の巡りを良くし、陽気を補う薬物が使用されます。代表的な薬物としては、以下のものがあります。
* 気血の巡りを良くする薬物当帰芍薬散、川芎茶調散、柴胡加竜骨牡蛎湯など
* 陽気を補う薬物附子湯、金匱腎気丸、八味丸など
-非薬物治療-
非薬物治療では、鍼灸やマッサージ、食生活の改善などが行われます。
* 鍼灸気血の巡りを良くし、陽気を補うツボに鍼やお灸を施します。
* マッサージ気血の巡りを良くし、体内の滞りを解消します。
* 食生活の改善温かいものを食べ、体を温める食材を積極的に摂取します。また、冷たいものや生ものを食べ過ぎないようにします。
-注意点-
陽虚による気滞の証の治療は、医師の指導のもとに行うことが大切です。自己判断で薬を服用したり、治療を行ったりすると、症状が悪化したり、副作用が出たりすることがあります。
陽虚による気滞の証の予防法
-陽虚による気滞の証の予防法-
陽虚による気滞の証にならないためには、まず、体を冷やさないことが大切です。冬場や冷房の効いた室内では、衣類で体を保温したり、温かい飲み物を飲んだりして、体を温めましょう。また、体を温める効果がある生姜やネギなどの食材を積極的に摂るとよいでしょう。
次に、ストレスをためないようにすることも大切です。ストレスがたまると、気の流れが滞りやすくなります。そのため、適度な運動をしたり、趣味を楽しんだりして、ストレスを発散しましょう。また、十分な睡眠をとることも大切です。睡眠中は、体が修復され、気の流れが整うからです。
さらに、暴飲暴食を避け、規則正しい食生活を送ることも大切です。食べ過ぎや飲み過ぎは、胃腸に負担をかけ、気の流れを滞らせます。また、刺激物や油っこいものを摂りすぎると、胃腸が弱り、気の流れが滞りやすくなります。
最後に、適度な運動を心がけることも大切です。運動は、気の流れを促進し、体の冷えを解消する効果があります。また、運動をすると、ストレスを発散することができ、睡眠の質も向上します。