温中止嘔とは何か？中医の治療法を解説

温中止嘔とは何か？中医の治療法を解説

温中止嘔とは？

-温中止嘔とは？-

温中止嘔とは、東洋医学の用語で、中焦を温め、嘔吐を止める治療法のことです。中焦とは、胃のあたりを中心とした、脾臓や膵臓などの臓器がある部分のことです。この部分に熱を加えることで、嘔吐を改善することができると考えられています。

温中止嘔には、いくつか方法があります。例えば、お灸を中焦に据えたり、温かい飲食物を飲んだり、生姜や山椒などの温性食品を食べたりすることが挙げられます。また、中焦を温めるツボを刺激するマッサージを行うことも効果的です。

温中止嘔は、嘔吐のほか、胃痛や腹痛、下痢などの症状にも効果があるとされています。また、冷え症や貧血、疲労感などの症状にも効果があると言われています。

治療の仕組み

治療の仕組み

東洋医学では、中焦は胃のあたりに位置するもので、脾胃の働きを担っています。この中焦が冷えてしまったり、機能が低下したりすると、嘔吐が起こりやすくなります。そこで、中焦を温めて機能を回復させることで、嘔吐を止めるという治療法が溫中止嘔です。

溫中止嘔には、温かい食べ物や飲み物を摂る、お腹を温める、ツボを刺激する、漢方薬を服用するなど、さまざまな方法があります。温かい食べ物や飲み物は、中焦を直接的に温めてくれます。お腹を温めることで、中焦の血行が促進され、機能が回復しやすくなります。ツボを刺激する方法では、中焦に関連するツボを刺激することで、中焦の機能を回復させることができます。漢方薬を服用する方法では、中焦を温めて機能を回復させる効果のある漢方薬を服用することで、嘔吐を止めることができます。

温中止嘔の適応症

温中止嘔とは、東洋医学における治療法の一つで、中焦を温めることで嘔吐を止めることを目的としたものです。中焦とは、胃や小腸など、食物を消化・吸収する臓器が位置する部位のことです。

温中止嘔の適応症は、主に以下のとおりです。

* 嘔吐を伴う胃炎や胃潰瘍
* 食べ過ぎや飲み過ぎによる嘔吐
* 妊娠悪阻
* 乗り物酔い
* 放射線治療による嘔吐
* 化学療法による嘔吐

温中止嘔は、主に温かい食べ物や飲み物を摂取することで行われます。また、お灸や温湿布なども効果的です。

温中止嘔は、比較的安全で副作用の少ない治療法ですが、以下の場合は注意が必要です。

* 高血圧や心臓病がある方
* 妊娠中の方
* 発熱している方

温中止嘔を行う前に、必ず医師にご相談ください。

温中止嘔の禁忌症

温中止嘔は、中焦を温め、嘔吐を止める治療法ですが、禁忌症もあります。

温中止嘔の禁忌症は、熱証、実証、血虚、陰虚、および妊娠です。

熱証とは、体が熱くなっている状態を指し、実証とは、気が盛んな状態を指します。血虚とは、血液が不足している状態を指し、陰虚とは、陰液が不足している状態を指します。妊娠とは、女性が子宮内に胎児を宿している状態を指します。

これらの状態にある人は、温中止嘔を行うと、症状を悪化させる可能性があります。

熱証の人は温中止嘔を行うと、熱がさらに高くなり、のぼせや頭痛、口の渇き、便秘などの症状が現れる可能性があります。実証の人は温中止嘔を行うと、気の巡りがさらに盛んになり、イライラや興奮、不眠などの症状が現れる可能性があります。血虚の人は温中止嘔を行うと、血液がさらに不足し、めまい、動悸、息切れなどの症状が現れる可能性があります。陰虚の人は温中止嘔を行うと、陰液がさらに不足し、口の渇き、皮膚の乾燥、髪の毛の抜け毛などの症状が現れる可能性があります。妊娠の人は温中止嘔を行うと、子宮が収縮してしまい、流産や早産などのリスクが高まる可能性があります。

温中止嘔は、中焦を温め、嘔吐を止める治療法ですが、禁忌症があるため、注意が必要です。