東洋医学の用語『開竅剤』とは?

東洋医学の用語『開竅剤』とは?

東洋医学の研究家

開竅剤は、閉証における神昏の緊急治療に用いられる処方です。閉証とは、邪気が表に現れず、体内に閉じてしまう状態のことです。神昏とは、意識障害のことです。開竅剤は、芳香性の成分から構成されており、蘇生効果があります。

東洋医学を知りたい

芳香性の成分とは、どのようなものですか?

東洋医学の研究家

芳香性の成分には、麝香、牛黄、安息香、乳香、没薬などがあります。これらの成分は、揮発性が高く、鼻腔から脳に直接作用します。そのため、蘇生効果が高いのです。

東洋医学を知りたい

なるほど、芳香性の成分が脳に直接作用するんですね。開竅剤は、どのような場合に使用されるのですか?

開竅剤とはどんな薬?

開竅剤とはどんな薬?

開竅剤とは、主として蘇生効果を有する芳香性の成分から構成される全ての処方を指す東洋医学の用語です。閉證における神昏の緊急治療に用いられます。閉證とは、邪気が体表に侵入して、衛気を閉塞することで、経絡を犯し、気血の運行を阻害し、神昏、四肢の厥冷、汗の出ないなどの症状を呈するものをいいます。

開竅剤は、芳香性の成分により、気の流れを良くし、神昏を改善する効果があります。また、蘇生効果により、生命を蘇らせる効果もあります。開竅剤は、緊急を要する閉證の治療に用いられますが、使用にあたっては、患者の状態をよく把握し、適切な用量で使用することが重要です。

開竅剤が使われる症状は?

開竅剤が使われる症状は?

開竅剤が使われる症状は、神を奪う閉證に伴うものと、意識障害を伴わないものとに分けられます。

意識障害を伴わないものの代表例は、小児のウイルス感染症に伴う熱性けいれんです。漢方では、これは肝熱によって引き起こされると考えられており、開竅剤は肝熱を清解してけいれんを治すために使用されます。

一方、神を奪う閉證とは、意識障害を伴うものですが、その中でも代表的なものは、脳卒中による意識障害です。脳卒中は、脳の血管が詰まったり破れたりすることで起こる病気ですが、脳の血流が低下すると、脳細胞が酸素と栄養素を十分に取り入れられなくなり、意識障害を起こすことがあります。開竅剤は、脳の血流を改善して脳細胞の活動を回復させることで、意識障害を改善します。

また、開竅剤は、外傷による意識障害や、中毒による意識障害などにも使用されます。

開竅剤の使い方は?

開竅剤の使い方は?

開竅剤の使用方法は、患者さんの状態や症状によって異なります。一般的に、開竅剤は、以下のいずれかの方法で投与されます。

1. -経口投与-
経口投与は、開竅剤を飲み込むことで投与する方法です。これは、最も一般的な投与方法であり、他の方法に比べて副作用が少ないです。ただし、意識障害がある患者さんや、飲み込むことが困難な患者さんには、経口投与は適しません。

2. -吸入投与-
吸入投与は、開竅剤を鼻孔や口を通して吸い込むことで投与する方法です。これは、経口投与に比べて、薬の効果が早く現れるというメリットがあります。ただし、吸入投与は、気管支喘息や肺気腫などの呼吸器疾患がある患者さんには適しません。

3. -注射投与-
注射投与は、開竅剤を筋肉や静脈に注射することで投与する方法です。これは、経口投与や吸入投与に比べて、薬の効果が最も早く現れます。ただし、注射投与は、他の方法に比べて、副作用のリスクが高いです。

開竅剤の投与量は、患者さんの年齢、体重、症状の程度などによって異なります。そのため、開竅剤を使用する際には、必ず医師の指示に従ってください。

開竅剤の注意点

開竅剤の注意点

開竅剤の注意点

開竅剤は、芳香性の成分を主成分とする処方であり、閉證における神昏の緊急治療に使用されます。ただし、使用にあたっては、次のような点に注意する必要があります。

*用量と用法開竅剤は、患者さんの状態に応じて、適切な用量と用法で使用する必要があります。過剰に大量に使用すると、有害な作用を及ぼす可能性があります。また、用法を誤ると、治療効果が得られない場合があります。

*副作用開竅剤は、副作用を引き起こす可能性があります。代表的な副作用として、口渇、口内炎、のどの痛み、吐き気、嘔吐などがあります。また、まれですが、呼吸抑制、心臓障害、ショックを起こすこともあります。

*禁忌事項開竅剤には、使用禁止の禁忌事項がいくつかあります。代表的な禁忌事項として、1歳未満の乳幼児への使用、重度の呼吸機能障害を有する患者さんへの使用、重度の心疾患を有する患者さんへの使用などがあります。

*相互作用開竅剤は、他の薬剤と相互作用を起こす可能性があります。代表的な相互作用として、中枢神経抑制剤との相互作用、胃潰瘍治療薬との相互作用、肝臓疾患治療薬との相互作用などがあります。

*保管方法開竅剤は、直射日光を避け、湿気の少ない涼しい場所に保管する必要があります。また、小児の手の届かない場所に保管する必要があります。

*有効期限開竅剤には、有効期限があります。有効期限を過ぎた開竅剤は、使用しないでください。

人気記事

東洋医学の救急劑 – 緊急時に役立つ処方集
中醫學とは?東洋医学の代表格である中医学について解説
中医学とは?その特徴と治療法を解説
カテゴリから探す
タグから
探す