東洋医学の用語『惡露不下』とは?
東洋医学の研究家
東洋医学の用語『惡露不下(産後の膣分泌物の分泌不全。)』について、詳しく説明してください。
東洋医学を知りたい
惡露不下とは、産後に膣からの分泌物が少なくなる症状のことです。通常、産後は悪露と呼ばれる出血が数週間続きますが、惡露不下ではこの出血が少なかったり、すぐに止まってしまったりします。
東洋医学の研究家
惡露不下の原因には、何がありますか?
東洋医学を知りたい
惡露の下には、血虚、気虚、腎虚など、さまざまな原因が考えられています。血虚とは、血液が不足している状態、気虚とは、気の巡りが悪い状態、腎虚とは、腎の機能が低下している状態のことです。
惡露不下の意味と症状
-惡露不下の意味と症状-
惡露不下とは、東洋医学の用語で、産後の膣分泌物の分泌不全を意味します。産後、子宮が収縮して元の大きさに戻る際に、子宮内の老廃物や残存した胎盤組織などが排出されます。この排出物を「悪露」と呼びます。悪露は、最初は血の混じった赤い色をしていますが、次第に色が薄くなり、やがて透明なオリモノのような状態になります。通常、悪露は産後2~4週間で排出されますが、中には1~2ヶ月ほどかかる人もいます。
惡露不下は、悪露の排出が遅れたり、まったく排出されなかったりする状態です。主な症状としては、
* 悪露の量が少なく、粘着性がある
* 悪露に悪臭がある
* 下腹部に痛みや違和感がある
* 発熱
* 悪寒
* 頭痛
* 吐き気・嘔吐
などが挙げられます。
惡露不下は、産後の感染症の一つとされており、早期に治療しないと、子宮内膜炎や骨盤内感染症などの重篤な合併症を引き起こす可能性があります。そのため、産後は定期的に医師の診察を受け、悪露の排出状況を確認することが大切です。
惡露不下の原因
-惡露不下の原因-
惡露不下の原因は、産後の気虚血虚、脾虚腎虚など、さまざまな要因が考えられます。
気虚血虚とは、気と血が不足した状態です。気は、身体の働きを調整するもので、血は、身体を養うものです。気虚血虚になると、身体が弱り、産後の回復が遅れます。
脾虚腎虚とは、脾と腎が弱った状態です。脾は、食べ物を消化吸収する臓器であり、腎は、水分の代謝を司る臓器です。脾虚腎虚になると、食べ物を消化吸収できず、水分がうまく代謝されません。その結果、産後の悪露が排出されにくくなり、惡露不下が起こります。
また、子宮の冷えも、惡露不下の原因の一つです。子宮が冷えると、血行が悪くなり、悪露が排出されにくくなります。
さらに、ストレスや疲労も、惡露不下の原因となることがあります。ストレスや疲労がたまると、身体の免疫力が低下し、産後の回復が遅れます。その結果、惡露不下が起こりやすくなります。
惡露不下の治療法
-惡露不下の治療法-
惡露不下の治療法は、主に中医学に基づいており、患者さんの状態や症状に合わせて、さまざまな治療法が選択されます。
-1. 漢方薬-
漢方薬は、惡露不下の治療に広く用いられており、その代表的なものには、当帰芍薬散や八珍湯があります。当帰芍薬散は、血行を改善し、子宮の機能を正常化することで、惡露不下を改善します。八珍湯は、気血を補い、全身の機能を改善することで、惡露不下を改善します。
-2. 針灸-
針灸は、惡露不下の治療に有効なツボを刺激することで、気血の流れを改善し、症状を緩和します。代表的なツボには、三陰交、太衝、血海などがあります。
-3. 食生活-
惡露不下の治療には、食生活の改善も重要です。冷えや湿気を避けた、温かく、消化の良いものを食べるようにしましょう。また、水分を十分に摂ることも大切です。
-4. 生活習慣-
惡露不下の治療には、生活習慣の改善も大切です。十分な睡眠をとるように心がけ、ストレスを避け、適度な運動を心がけましょう。また、喫煙や飲酒は、症状を悪化させる可能性があるため、避けるようにしましょう。
-5. 西洋医学的治療-
西洋医学的な治療法としては、抗生物質や消炎剤が用いられることがあります。ただし、これらの薬剤は、あくまでも症状を緩和するものであり、根本的な治療にはなりません。
惡露不下の治療は、患者さんの状態や症状に合わせて、適切な治療法を選択することが大切です。自己判断で治療を行うことは避け、必ず医師の指示に従って治療を受けるようにしましょう。
惡露不下の予防法
惡露不下の予防法
惡露不下の予防には、以下のことに注意しましょう。
* 産後の安静を保つ。
* 十分な栄養と水分を摂る。
* 適度な運動を行う。
* ストレスを避ける。
* 子宮の冷えを避ける。
* 産後2、3週間は性行為を控える。
* 産後2、3週間は入浴を控える。
* 産後1か月は重労働を避ける。
惡露不下の予防には、産後の体調を良好に保つことが大切です。十分な睡眠をとったり、バランスのとれた食事を心がけたりしましょう。また、産後は子宮の回復を促すため、適度な運動を行うことも大切です。ただし、激しい運動は避けましょう。ストレスを溜めないことも大切なので、趣味やリラクゼーションを楽しむ時間を作るとよいでしょう。