東洋医学の脾不統血証とは
東洋医学の研究家
『脾不統血證』は、脾気が弱いために血を制御できないときに生じる証です。
東洋医学を知りたい
脾気が弱いとはどういうことですか?
東洋医学の研究家
脾気とは、脾臓の働きを指します。脾臓は、血液を貯蔵し、また、血液を濾過する働きがあります。脾気が弱いとは、脾臓の働きが弱まっている状態のことを指します。
東洋医学を知りたい
脾気が弱くなると、どのような症状が現れるのですか?
脾不統血証の原因
脾不統血証は、脾気が弱いため血が制御されず、紫斑、女性の崩漏など様々な慢性出血とともに、面色委黄、厭食、下痢、倦怠感、乏力、短気、話すのが億劫、淡白舌および弱脈が認められる証です。
脾不統血証の原因は、脾気虚弱、気血両虚、血虚、血熱、湿熱、瘀血などがあります。
脾気虚弱は、脾の陽気が衰え、脾の運化機能が低下した状態です。脾気虚弱になると、血の生成と運化が障害され、脾不統血証が起こりやすくなります。
気血両虚は、気と血の両方が不足した状態です。気血両虚になると、脾の運化機能が低下し、血の生成と運化が障害され、脾不統血証が起こりやすくなります。
血虚は、血液が不足した状態です。血虚になると、脾の運化機能が低下し、血の生成と運化が障害され、脾不統血証が起こりやすくなります。
血熱は、血液が熱を帯びた状態です。血熱になると、脾の運化機能が障害され、血の生成と運化が障害され、脾不統血証が起こりやすくなります。
湿熱は、湿気と熱が合わさった状態です。湿熱になると、脾の運化機能が障害され、血の生成と運化が障害され、脾不統血証が起こりやすくなります。
瘀血は、血液の流れが滞っている状態です。瘀血になると、脾の運化機能が障害され、血の生成と運化が障害され、脾不統血証が起こりやすくなります。
脾不統血証の症状
脾不統血証は、脾気が弱いために血を制御できなくなることで生じる証です。主な症状は、紫斑、女性の崩漏など、種々の慢性出血です。また、面色委黄、厭食、下痢、倦怠感、乏力、短気、話すのが億劫、淡白舌および弱脈が認められます。
紫斑は、皮膚の下に出血した状態です。崩漏は、生理以外の出血のことです。面色委黄は、顔色が黄色くなることです。厭食は、食欲不振のことです。下痢は、便がゆるく、回数が多いことです。倦怠感は、疲れやすいことです。乏力は、力が弱いことです。短気は、すぐに怒りっぽくなることです。話すのが億劫は、話すのが面倒くさいと感じることです。淡白舌は、舌の色が薄くなることです。弱脈は、脈が弱くなることです。
脾不統血証の治療法
脾不統血証の治療法
脾不統血証の治療法は、主に中医学の考え方 に基づいて行われます。中医学では、脾は気血を統御する重要な臓器と考えられており、脾不統血証は脾の機能が低下することで、血を統御でき なくなって起こる症状であると考えられています。
脾不統血証の治療には、脾の機能を高めて血を統御できるようにする薬物が使用されます。また、脾の機能を高める食事療法や生活習慣の改善も行われます。
脾不統血証の治療には、主に以下の薬物が使用されます。
* 黄耆脾の機能を高める効果があります。
* 人参気血を補う効果があります。
* 当帰血を補い、止血効果があります。
* 芍薬血を補い、鎮痛効果があります。
* 酸棗仁心を落ち着かせる効果があります。
脾不統血証の治療には、脾の機能を高める食事療法や生活習慣の改善も重要です。脾の機能を高める食事には、以下のものが挙げられます。
* 穀物米、小麦、トウモロコシなど
* 野菜ほうれん草、小松菜、レタスなど
* 果物りんご、バナナ、オレンジなど
* 豆類大豆、小豆、緑豆など
* ナッツ類くるみ、アーモンド、カシューナッツなど
脾の機能を高める生活習慣には、以下のものが挙げられます。
* 適度な運動ウォーキング、水泳、自転車など
* 十分な睡眠6~8時間
* ストレスを避ける
* 温かいものを食べる
* 冷たいものを避ける
脾不統血証の治療には、中医学の考え方 に基づいた薬物や食事療法、生活習慣の改善が重要です。これらの治療法によって、脾の機能を高めて血を統御できるようにし、症状を改善していきます。