東洋医学の用語『五不女(女性の不妊症の5形態。)』とは

東洋医学の用語『五不女(女性の不妊症の5形態。)』とは

五不女とは

-五不女とは-

五不女とは、東洋医学における女性の不妊症の5形態のことです。それぞれ、胞宮虚寒、血瘀体虚、腎虚肝熱、腎虚精虧、肝郁気滞と呼ばれています。

胞宮虚寒とは、子宮の冷えを指し、不妊症の原因として最も一般的です。血瘀体虚とは、血の巡りが悪く、全身の血行不良が不妊症を引き起こしている状態です。腎虚肝熱とは、腎の機能が弱く、肝の熱が強まっている状態です。腎虚精虧とは、腎の機能が弱く、精子が作られていない状態です。肝郁気滞とは、肝の気が滞り、血流が悪くなっている状態です。

五不女は、それぞれ原因が異なるため、治療法も異なります。胞宮虚寒の場合は、子宮を温める薬や鍼灸治療などが行われます。血瘀体虚の場合は、血行を良くする薬や漢方薬などが行われます。腎虚肝熱の場合は、腎の機能を強め、肝の熱を下げる薬や漢方薬などが行われます。腎虚精虧の場合は、腎の機能を強め、精子を作る薬や漢方薬などが行われます。肝郁気滞の場合は、肝の気を巡らす薬や漢方薬などが行われます。

五不女の原因と症状

五不女の原因は多岐にわたりますが、主に以下の5つに分類されます。

1. -心因性不妊- ストレスやトラウマなど、精神的な要因によって不妊を引き起こすものです。
2. -器質性不妊- 子宮や卵巣などの生殖器に器質的な異常があることで不妊を引き起こすものです。
3. -免疫性不妊- 自身の免疫系が精子や卵子、受精卵を攻撃することで不妊を引き起こすものです。
4. -内分泌性不妊- ホルモンバランスの乱れによって不妊を引き起こすものです。
5. -不明原因不妊- 原因が特定できない不妊です。

五不女の症状は、不妊の形態によって異なりますが、主に以下の5つに分類されます。

1. -月経異常- 月経周期の乱れや、月経痛、月経血量の異常など。
2. -排卵障害- 排卵が起こらない、または排卵が不規則な状態。
3. -卵管障害- 卵管が詰まっていたり、癒着していたりして、卵子が子宮に到達できない状態。
4. -子宮内膜障害- 子宮内膜が薄かったり、傷があったりして、受精卵が着床できない状態。
5. -黄体機能不全- 排卵後に黄体が正常に機能せず、受精卵の着床を妨げる状態。

五不女の治療法

-五不女の治療法-

五不女の治療法には、いくつかの方法があります。そのうちのいくつかを紹介します。

-1. 薬物療法-

薬物療法は、五不女の治療法としてよく使用されます。薬物療法には、排卵誘発剤、黄体ホルモン剤、男性ホルモン剤などがあります。排卵誘発剤は、卵巣を刺激して排卵を促す薬です。黄体ホルモン剤は、子宮内膜を厚くして妊娠しやすい状態にする薬です。男性ホルモン剤は、精子の数を増やしたり、精子の運動性を高める薬です。

-2. 手術療法-

手術療法は、五不女の治療法として、薬物療法が効かない場合や、薬物療法では治療が難しい場合に行われます。手術療法には、腹腔鏡下手術、子宮鏡下手術、開腹手術などがあります。腹腔鏡下手術は、お腹に小さな穴を開けて、腹腔鏡というカメラを入れて手術を行う方法です。子宮鏡下手術は、子宮の中にカメラを入れて手術を行う方法です。開腹手術は、お腹を大きく開けて手術を行う方法です。

-3. 漢方薬-

漢方薬は、五不女の治療法として、古くから使用されてきました。漢方薬には、当帰、芍薬、川芎、牡丹皮などがあります。当帰は、血行を促進する働きがあります。芍薬は、筋肉を緩める働きがあります。川芎は、鎮痛作用があります。牡丹皮は、抗炎症作用があります。

-4. 食事療法-

食事療法は、五不女の治療法として、重要な役割を果たします。五不女の女性は、バランスのとれた食事を心がける必要があります。特に、葉酸、鉄分、カルシウムを多く含む食品を積極的に摂取することが大切です。葉酸は、胎児の健康に欠かせない栄養素です。鉄分は、血液を作るのに必要な栄養素です。カルシウムは、骨や歯を丈夫にするのに必要な栄養素です。

-5. 運動療法-

運動療法は、五不女の治療法として、有効な場合があります。運動療法には、ウォーキング、ジョギング、スイミングなどがあります。運動療法は、血行を促進し、ストレスを解消する効果があります。血行が促進されると、子宮や卵巣に栄養が行き渡りやすくなります。ストレスが解消されると、自律神経のバランスが整い、ホルモンバランスが改善されます。

五不女の予防法

五不女とは、東洋医学で女性が妊娠しにくい状態を5つに分類したものです。それぞれの型に応じて、予防法や治療法が異なります。

（１）道不通
原因血行不良や子宮の異常
予防法体を温める、適度な運動をする、ストレスを避ける、食生活に気を付ける

（２）胞不通
原因卵管の異常や卵巣の異常
予防法定期的に婦人科検診を受ける、性感染症を避ける、葉酸を摂取する

（３）血不通
原因血液の異常や血流の異常
予防法鉄分を摂取する、温かいものを食べる、体を温める、ストレスを避ける

（４）気不通
原因気の巡りが悪い
予防法適度な運動をする、ストレスを避ける、食生活に気を付ける、体を温める

（５）水不通
原因水の巡りが悪い
予防法利尿作用のあるものを避ける、体を冷やさない、適度な運動をする