東洋医学の用語『吐劑』とは?

東洋医学の用語『吐劑』とは?

東洋医学の研究家

「吐劑(嘔吐を誘発する全ての処方。痰厥、食積、毒物の摂取の治療に用いられる。)」について質問があったね。まず、吐劑とは、その名の通り吐き気を催させる処方のことだよ。

東洋医学を知りたい

吐き気を催させることはわかりますが、どのような場合に使用されるのですか?

東洋医学の研究家

痰厥(たんけつ)、食積、毒物の摂取、痰厥とは気道や肺に痰が詰まって、呼吸や循環機能が低下する状態。食積とは、食べ物が胃や腸に停滞して、消化吸収がうまく行かない状態。毒物の摂取とは、誤って毒物を飲んでしまった場合に使われる場合が多いよ。

東洋医学を知りたい

吐剤は、これらの状態を改善するために使用されるのですね。東洋医学では、吐くことで体に溜まった毒素や老廃物を排出できると考えられているのでしょうか?

吐劑とは?

吐劑とは?

-吐剤とは?-

吐剤とは、東洋医学において、吐き気を催して嘔吐を誘発するすべての処方のことを指します。痰厥(たんけつ)や食積、毒物の摂取などの治療に使用されます。吐き気や嘔吐を引き起こすことにより、体内の毒物を排出したり、痰や食滞を除去したりする効果があるとされています。

吐剤は、主に生薬を原料として作られています。代表的な生薬には、黄連(おうれん)、黄芩(おうごん)、半夏(はんげ)、厚朴(こうぼく)、陳皮(ちんぴ)などがあります。これらの生薬は、それぞれに異なる働きを持ち、組み合わせることで、吐き気や嘔吐を引き起こす効果を高めます。

吐剤は、口から服用するほか、浣腸として使用することもあります。浣腸は、肛門から直腸に薬液を注入する方法です。浣腸として使用する吐剤は、主に食積や毒物の摂取などの治療に使用されます。

吐剤は、吐き気や嘔吐を引き起こす作用があるため、使用には注意が必要です。特に、妊娠中や授乳中、持病のある人は、使用前に医師に相談することが大切です。

吐劑の種類

吐劑の種類

吐剤の種類

吐剤は、その作用の強さや作用時間によって、次の3種類に分類されます。

1. 緩下吐剤
緩下吐剤は、比較的緩やかな作用で、痰や食積を吐き出すのに用いられます。代表的な緩下吐剤としては、甘草や大黄などが挙げられます。

2. 急下吐剤
急下吐剤は、強い作用で、毒物を吐き出すのに用いられます。代表的な急下吐剤としては、吐根や胆汁などが挙げられます。

3. 吐下剤
吐下剤は、吐き気と下痢を同時に起こさせる作用があり、痰や食積、毒物を吐き出すのに用いられます。代表的な吐下剤としては、大黄や芒硝などが挙げられます。

吐劑の作用機序

吐劑の作用機序

吐劑の作用機序

吐劑は、胃や食道の粘膜を刺激して嘔吐を引き起こすことで、痰や毒物を排出する薬です。吐劑の主な作用機序は以下の通りです。

* 胃や食道の粘膜を刺激する。
* 迷走神経を刺激する。
* 嘔吐中枢を刺激する。

吐劑が胃や食道の粘膜を刺激すると、胃や食道の迷走神経が刺激されます。迷走神経は、脳の嘔吐中枢に信号を送り、嘔吐を引き起こします。吐瀉物が排出された後は、胃や食道の粘膜の刺激がなくなり、嘔吐は収まります。

吐劑は、痰や毒物を排出するのに有効な薬ですが、吐き気や嘔吐などの副作用を引き起こすこともあります。そのため、吐劑は医師の指示に従って慎重に使用することが大切です。

吐劑の副作用

吐劑の副作用

吐劑の副作用

吐剤の使用には、いくつかの副作用があります。最も一般的な副作用は吐き気と嘔吐です。吐剤によっては、下痢、腹痛、胸焼けなどの胃腸障害を引き起こすこともあります。また、吐剤の使用により、脱水症状、電解質異常、低血圧などの全身的な副作用が現れることもあります。

吐剤を使用する際には、これらの副作用を十分に理解した上で、医師の指示に従って使用することが大切です。また、吐剤を使用する際には、十分な水分を摂取し、電解質のバランスを保つようにしましょう。

吐剤の使用により、副作用が現れた場合は、医師に相談することが大切です。医師は、副作用を軽減するための適切な処置を施してくれます。

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