東洋医学の用語『胃虛寒證』について
東洋医学の研究家
東洋医学の用語『胃虛寒證(胃を温める陽気の不足により生じる証で、温め圧迫すると軽減する持続性の心窩部痛、摂食量減少、胃の閉塞感、四肢の冷えを伴う悪寒、白苔を伴う淡白舌および沈・遅・弱脈を特徴とする。)』について説明してください。
東洋医学を知りたい
『胃虛寒證』は、胃を温める陽気の不足により生じる証です。症状としては、持続性の心窩部痛、摂食量減少、胃の閉塞感、四肢の冷えを伴う悪寒、白苔を伴う淡白舌および沈・遅・弱脈があります。
東洋医学の研究家
『胃虛寒證』を引き起こす原因は何だと思いますか?
東洋医学を知りたい
『胃虛寒證』を引き起こす原因としては、冷飲食の摂り過ぎ、過労、ストレス、体質などが考えられます。
『胃虛寒證』とは
-『胃虛寒證』とは-
胃虚寒証とは、東洋医学の用語で、胃を温める陽気の不足により生じる証のことです。持続性の心窩部痛、摂食量減少、胃の閉塞感、四肢の冷えを伴う悪寒、白苔を伴う淡白舌および沈・遅・弱脈を特徴とします。
胃虚寒証の原因は、冷飲食の摂りすぎ、過労、ストレスなどによって、胃の陽気が衰えてしまうことです。また、胃の粘膜が弱っていたり、胃下垂があったりする場合も、胃虚寒証を発症しやすくなります。
胃虚寒証の症状は、持続性の心窩部痛、摂食量減少、胃の閉塞感、四肢の冷えを伴う悪寒、白苔を伴う淡白舌および沈・遅・弱脈です。心窩部痛は、みぞおちのあたりに起こる痛みで、冷飲食を摂ると悪化します。摂食量減少は、食欲不振や胃もたれによって起こります。胃の閉塞感は、胃が詰まったように感じられる症状です。四肢の冷えを伴う悪寒は、手足が冷えて、寒気がする症状です。白苔を伴う淡白舌は、舌に白い苔がつき、舌の色が淡い症状です。沈・遅・弱脈は、脈が沈んで遅く、弱い症状です。
胃虚寒証の治療は、胃を温める薬を服用したり、温熱療法を受けたりすることで、胃の陽気を補うことが基本となります。また、冷飲食や過労、ストレスを避けることも大切です。
『胃虛寒證』の症状
-胃虚寒証の症状-
胃虚寒証の主な症状は、持続的な心窩部痛、摂食量の減少、胃の閉塞感、四肢の冷えを伴う悪寒、白苔を伴う淡白舌および沈・遅・弱脈です。
心窩部痛は、胸の中央からやや左寄りに位置する胃の部位に起こる痛みです。痛みは鈍痛や灼熱感、刺痛などさまざまであり、持続的に続くのが特徴です。
摂食量の減少は、胃の機能が低下していることで、食べ物が胃に留まりにくくなり、食欲が低下したり、食べ物を摂取してもすぐに満腹感を感じたりします。
胃の閉塞感は、胃が膨満して圧迫されているような感覚で、胃もたれや胸焼けを伴うことがあります。
四肢の冷えを伴う悪寒は、胃虚寒証の典型的な症状です。胃の虚弱により、身体を温める陽気が不足し、四肢が冷えて悪寒が生じます。
白苔を伴う淡白舌は、舌に白い苔が付き、舌の色が淡白になる症状です。これは、胃の虚弱により、消化液の分泌が低下して舌に苔が付着しやすくなるためです。
沈・遅・弱脈は、脈が沈んで遅く、弱い状態です。これは、胃の虚弱により、気血の運行が低下して脈が弱くなるためです。
『胃虛寒證』の原因
胃虛寒證の原因はいくつかありますが、最も一般的なのは、冷たい食べ物や飲み物を摂りすぎること、冷たい環境に長時間いること、精神的ストレスなどです。また、胃腸の働きが弱っている人や、高齢者も胃虛寒證になりやすいと言われています。
冷たい食べ物や飲み物を摂りすぎると、胃腸が冷やされて胃虛寒證を引き起こすことがあります。冷たい環境に長時間いると、体内の熱が奪われて胃腸が冷やされるため、胃虛寒證を引き起こしやすくなります。精神的ストレスも胃腸の働きを乱し、胃虛寒證を引き起こすことがあります。
胃腸の働きが弱っている人は、消化吸収機能が低下しているため、食べ物が胃の中で長く滞留して胃虛寒證を引き起こしやすくなります。高齢者も胃腸の働きが弱くなっていることが多く、胃虛寒證になりやすいと言われています。
『胃虛寒證』の治療法
-胃虛寒證の治療法-
胃虛寒證の治療法は、主に薬物療法と非薬物療法の2つに分けられます。
-薬物療法-
薬物療法は、胃虛寒證の症状を緩和したり、根本的な原因を治療したりするために用いられます。主な薬物としては、以下のものがあります。
* 温里薬胃を温めて陽気を補う薬物です。代表的な温里薬には、附子、肉桂、乾姜などがあります。
* 駆寒薬寒邪を駆逐する薬物です。代表的な駆寒薬には、麻黄、桂皮、細辛などがあります。
* 補気薬気の不足を補う薬物です。代表的な補気薬には、黄耆、人参、白朮などがあります。
* 補血薬血の不足を補う薬物です。代表的な補血薬には、当帰、川芎、芍薬などがあります。
-非薬物療法-
非薬物療法は、薬物療法と併用して行われることが多く、胃虛寒證の症状を緩和したり、根本的な原因を治療したりするために用いられます。主な非薬物療法としては、以下のものがあります。
* 温灸ツボにお灸を据えて、温熱刺激を与えることで、胃を温めて陽気を補います。
* 食事療法胃に負担をかけないような食事を心がけることで、胃の症状を緩和します。具体的には、温かい食べ物や飲み物を摂る、生ものを避ける、刺激物を避けるなどが挙げられます。
* 運動療法適度な運動をすることで、胃腸の機能を改善し、胃の症状を緩和します。ただし、激しい運動は胃に負担をかける可能性があるため、注意が必要です。
* 休養十分な休養をとることで、胃の負担を軽減し、症状を緩和します。