東洋医学用語『養心安神』とは？

東洋医学用語『養心安神』とは？

養心安神の定義と目的

養心安神とは、東洋医学の用語で、不安な心神による心悸亢進、不眠症、夢に妨げられる睡眠および健忘を治療する方法を指します。

養心安神の目的は、心神を安定させ、心身のバランスを整えることです。それにより、心悸亢進や不眠症などの症状を改善し、健やかな状態を取り戻すことを目指します。

養心安神には、補陰血薬を用いるのが一般的です。補陰血薬とは、陰血を補う作用のある生薬のことです。陰血とは、東洋医学において、血行をスムーズにする働きがあると考えられている体液のことです。陰血が不足すると、血行が悪くなり、心神が不安定になりやすくなります。

養心安神に用いられる補陰血薬には、当帰、川芎、白芍薬、茯苓、甘草などがあります。これらの生薬を組み合わせることで、心神を安定させ、血行を改善し、心悸亢進や不眠症などの症状を改善することが期待できます。

養心安神に用いられる補陰血薬

養心安神に用いられる補陰血薬は、主に血虚による心神不安を治療するために使用されます。血虚とは、血液が不足している状態であり、その結果、心神が栄養不足に陥り、不安や不眠などの症状が現れます。養心安神に用いられる補陰血薬は、血液を補い、心神を養うことで、これらの症状を改善します。

養心安神に用いられる補陰血薬には、当帰、川芎、芍薬、黄耆、枸杞子、山茱萸、熟地黄、竜眼肉などがあります。当帰は、血行を促進し、血虚を改善する効果があります。川芎は、気血を巡らし、瘀血を改善する効果があります。芍薬は、鎮痛、鎮静効果があり、心神を落ち着かせる効果があります。黄耆は、気虚を補い、免疫力を高める効果があります。枸杞子は、滋陰補血、明目を改善する効果があります。山茱萸は、滋陰補腎、固精縮尿の効果があります。熟地黄は、滋陰補血、益精填髄の効果があります。竜眼肉は、滋陰養血、補気益精の効果があります。

これらの生薬を組み合わせることで、心神不安を改善する効果が高いと考えられています。養心安神に用いられる補陰血薬は、煎じ薬にして服用したり、顆粒や錠剤にして服用したりすることができます。また、養心安神に用いられる補陰血薬は、比較的副作用が少ないとされていますが、服用量や服用期間によっては、胃腸障害やアレルギーなどの副作用が現れる場合があります。そのため、養心安神に用いられる補陰血薬を服用する際には、医師や薬剤師に相談することが大切です。

養心安神の注意点

養心安神の注意点

養心安神は、陰虚が原因で起こる心悸亢進、不眠症、夢に妨げられる睡眠、健忘などの症状を治療するために使用されます。

しかし、養心安神を使用する際には、いくつかの点に注意が必要です。

まず、養心安神は、陰虚が原因で起こる症状を治療するために使用されるため、陽虚が原因で起こる症状には効果がありません。

例えば、陽虚が原因で起こる冷えや疲れ、食欲不振などには、養心安神は効果ありません。

また、養心安神は、他の薬と併用することで、薬の効果を強めたり、弱めたりすることがあります。

例えば、養心安神は、抗凝血剤と併用することで、出血のリスクを高めたり、抗うつ薬と併用することで、眠気やふらつきなどの副作用を強めたりすることがあります。

養心安神を使用して、他の薬と併用する場合は、必ず医師または薬剤師に相談してください。

また、養心安神は、妊娠中や授乳中は使用を避ける必要があります。