東洋医学の用語『湧吐薬』について

東洋医学の用語『湧吐薬』について

東洋医学の研究家

湧吐藥は、嘔吐を引き起こす薬剤のことです。東洋医学において、胃腸の不調や食中毒、二日酔いなどの治療に使用されてきました。

東洋医学を知りたい

なぜ嘔吐させることで治療が行えるのですか?

東洋医学の研究家

嘔吐は、胃腸の働きを活発化させ、毒素や老廃物を排出する作用があります。また、嘔吐によって胃液が逆流し、食道や咽喉の炎症を緩和する効果もあります。

東洋医学を知りたい

なるほど、嘔吐薬は、毒素や老廃物を排出したり、炎症を緩和したりする効果があるのですね。

湧吐薬とは

湧吐薬とは

湧吐薬とは、東洋医学において、吐き気や嘔吐を起こさせることを目的として使用される薬剤のことです。吐き気や嘔吐は、様々な原因によって引き起こされ得る症状ですが、東洋医学では、主に気滞(気の巡りが滞ること)や痰湿(体内に余分な水分や老廃物が停滞すること)が原因と考えられています。湧吐薬は、気滞や痰湿を解消することで、吐き気や嘔吐を改善するとされています。

湧吐薬には、様々な種類がありますが、その中でも代表的なものは、以下の3つです。

1. 吐半夏(とはんげ)半夏という植物の塊茎を乾燥させた生薬です。吐き気や嘔吐を鎮める効果があるとされています。
2. 天南星(てんなんせい)天南星という植物の球根を乾燥させた生薬です。痰を切れやすくする効果があるとされています。
3. 紫苑(しおん)紫苑という植物の花を乾燥させた生薬です。気滞を解消する効果があるとされています。

これらの生薬は、単独で使用されることもありますが、複数の生薬を組み合わせた漢方薬として使用されることもあります。漢方薬としては、代表的なものに、以下のものがあります。

1. 半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)吐き気や嘔吐、胸やけ、胃痛などの症状に用いられます。
2. 天南星半夏湯(てんなんせいはんげとう)吐き気や嘔吐、下痢などの症状に用いられます。
3. 苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)気滞や痰湿による水腫、むくみの症状に用いられます。

湧吐薬は、吐き気や嘔吐を改善する効果がありますが、誤った使用をすると、副作用を起こす可能性があります。湧吐薬を使用する際には、必ず医師や漢方薬剤師に相談してください。

湧吐薬の種類

湧吐薬の種類

-湧吐薬の種類-

湧吐薬は、その作用機序や期待される効果によって、様々な種類に分類することができます。最も一般的な湧吐薬の種類としては、以下のものがあります。

* -刺激性湧吐薬- 胃や腸を直接刺激して嘔吐を起こす薬剤です。代表的な刺激性湧吐薬としては、イペカックシロップ、塩化カリウム、銅硫酸などがあります。
* -中枢性湧吐薬- 嘔吐中枢を直接刺激して嘔吐を起こす薬剤です。代表的な中枢性湧吐薬としては、アポモルヒネ、モルヒネ、シサプリドなどがあります。
* -反射性湧吐薬- 咽頭や食道を刺激して嘔吐を起こす薬剤です。代表的な反射性湧吐薬としては、ヤードリー粉末、硫酸亜鉛、芥子などがあります。

また、湧吐薬は、その使用目的によって、以下の2種類に分類することができます。

* -催吐薬- 胃の内容物を排出するために使用される薬剤です。
* -反吐薬- 中毒を治療するために使用される薬剤です。

催吐薬は、食べ過ぎや飲み過ぎなどの際に、胃の内容物を排出するために使用されます。また、反吐薬は、薬物中毒や食物中毒などの際に、体内の毒物を排出するために使用されます。

湧吐薬の作用

湧吐薬の作用

湧吐薬の作用

湧吐薬は、文字通り嘔吐を引き起こす薬剤です。東洋医学では、吐法という治療法の一種として用いられます。吐法は、胃腸内の邪気を吐き出して、身体を浄化する治療法です。湧吐薬は、胃腸内の邪気を刺激して、嘔吐を促すことで、吐法の効果を高めます。

湧吐薬は、主に以下の2つの作用があります。

* 胃腸内の邪気を刺激する作用
* 嘔吐を促す作用

胃腸内の邪気を刺激する作用は、湧吐薬が胃腸粘膜を刺激することによって起こります。胃腸粘膜が刺激されると、胃腸の蠕動運動が亢進し、嘔吐が起こりやすくなります。

嘔吐を促す作用は、湧吐薬が嘔吐中枢を刺激することによって起こります。嘔吐中枢は、脳幹にある神経細胞の集まりです。嘔吐中枢が刺激されると、胃腸の蠕動運動が亢進し、嘔吐が起こります。

湧吐薬は、吐法の効果を高めるために用いられますが、嘔吐は身体に負担をかけるため、安易に服用すべきではありません。湧吐薬を服用する際は、必ず医師の指示に従うようにしましょう。

湧吐薬の注意点

湧吐薬の注意点

-湧吐薬の注意点-

湧吐薬を使用する際には、いくつかの注意点があります。まず、湧吐薬は吐かせ過ぎると、体内の水分や電解質のバランスが崩れて脱水症状を起こしやすくなります。そのため、湧吐薬を使用する際は、必ず医師の指示に従い、決められた量を守って服用することが大切です。

また、湧吐薬は吐き気や嘔吐を催すことで、胃の内容物を吐き出させますが、その際に胃酸も一緒に吐き出されるため、食道の粘膜を傷つけることがあります。そのため、湧吐薬を使用する際は、吐いた後に水や牛乳を飲んで、食道内の胃酸を洗い流すようにしましょう。

さらに、湧吐薬は妊娠中や授乳中の女性、心臓病や肝臓病などの基礎疾患がある方は、使用を避けるべきです。また、小児にも使用を避けるべきとされています。もし、湧吐薬を使用する必要がある場合は、必ず医師に相談するようにしましょう。

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