溫鍼灸とは?
東洋医学の研究家
東洋医学の用語『溫鍼灸』について、二つの意味があることを知っていますか?
東洋医学を知りたい
いいえ、知りませんでした。
東洋医学の研究家
一つは、鍼を刺入した後、点火した艾條を鍼柄に当てる手技のことを指します。もう一つは、鍼を刺入する前または鍼を刺入している間に鍼を温める鍼療法のことを指します。温鍼と同義語です。
東洋医学を知りたい
なるほど、よくわかりました。ありがとうございました。
溫鍼灸の歴史
溫鍼灸の歴史
溫鍼灸の歴史は古く、中国の春秋戦国時代(紀元前770年頃~紀元前221年頃)には、すでに存在していたと考えられています。当時の医学書である『黄帝内経』には、溫鍼灸の治療法について詳しく記載されており、さまざまな病気を治療するために用いられていたことがわかります。
温鍼灸は、その後も中国で発展し、唐代(618年~907年)には、温鍼灸の専門書である『針灸甲乙経』が編纂されました。この書物には、温鍼灸の治療法についてさらに詳しく記載されており、温鍼灸が中国医学において重要な治療法であることがわかります。
温鍼灸は、中国から日本にも伝わり、江戸時代(1603年~1868年)には、温鍼灸の治療法をまとめた『温灸集』が出版されました。この書物には、温鍼灸の治療法について詳しく記載されており、温鍼灸が日本でも重要な治療法であることがわかります。
温鍼灸は、その後も日本各地に広まり、現在でも多くの治療院で行われています。温鍼灸は、さまざまな病気を治療するために用いられており、その効果は多くの臨床例によって証明されています。
溫鍼灸の効果
溫鍼灸は、鍼治療の効果を高めるために、鍼を温める方法です。鍼を温めることで、血流を促進し、筋肉の緊張をほぐし、痛みの緩和や、疲労回復の効果が期待できます。また、鍼を温めることで、鍼の刺激がより深部まで届き、治療効果が高まるとされています。
溫鍼灸は、さまざまな疾患の治療に応用することができます。例えば、肩こりや腰痛などの慢性的な痛み、リウマチや関節炎などの関節疾患、スポーツによる外傷、婦人科系の疾患、不眠症や自律神経失調症などの心身症などです。
溫鍼灸は、一般的に安全性の高い治療法とされていますが、まれに、火傷や、感染症などの副作用が起こることがあります。また、妊婦や、心臓病や、ペースメーカーを使用している人は、溫鍼灸を受けられない場合があります。
溫鍼灸の適応症
-溫鍼灸の適応症-
溫鍼灸は、冷え症、肩こり、腰痛、膝痛、リウマチ、神経痛、生理痛、不妊症、更年期障害など、多くの疾患に適応します。また、虚弱体質の改善や、免疫力の向上にも効果があると言われています。なぜなら、溫鍼灸は、鍼の温熱効果と艾の薬効によって、血行を促進し、筋肉をほぐし、痛みを和らげる効果があるからです。加えて、艾の香りにはリラックス効果があるため、自律神経のバランスを整え、ストレスを軽減する効果も期待できます。
溫鍼灸の禁忌症
-溫鍼灸の禁忌症-
溫鍼灸は、すべての患者さんに適しているわけではありません。以下のような場合は、溫鍼灸を避けるべきです。
* -妊婦-溫鍼灸は、子宮を収縮させる可能性があるため、妊婦には禁忌です。
* -心臓病-溫鍼灸は、心拍数を高める可能性があるため、心臓病のある患者さんには禁忌です。
* -てんかん-溫鍼灸は、発作を誘発する可能性があるため、てんかんのある患者さんには禁忌です。
* -感染症-溫鍼灸は、感染症を悪化させる可能性があるため、感染症のある患者さんには禁忌です。
* -出血傾向がある方-溫鍼灸は、出血する可能性があるため、出血傾向のある方や血液凝固障害のある方には禁忌とされています。
* -皮膚が弱い方-溫鍼灸は、皮膚を傷める可能性があるため、皮膚が弱い方や皮膚疾患のある方には禁忌とされています。
* -エイズや肝炎の感染経験者など感染症に罹患したことがある-場合、事前に医師と相談する必要があります。