上盛下虚證の基本を理解しよう
東洋医学の研究家
『上盛下虛證(上半身における気、瘀血また下半身における肝腎の陰虚とともに)』とは東洋医学の用語で、どのようなことを意味するのでしょうか?
東洋医学を知りたい
上半身に瘀血や気が多く、下半身に肝と腎の陰が不足している状態のことです。
東洋医学の研究家
その通りです。『上盛下虛證』は、上半身に熱や炎症などの症状が現れ、下半身には冷えや虚弱などの症状が現れることを特徴としています。
東洋医学を知りたい
なるほど、『上盛下虛證』は上半身と下半身のバランスが崩れている状態なんですね。
上盛下虚證とは何か?
上盛下虚證とは、東洋医学において、上半身に気や瘀血(おけつ)が盛んで、下半身には肝と腎の陰虚が認められる状態を指します。上盛下虚證は、さまざまな要因によって引き起こされると考えられていますが、その主な原因には、ストレス、過労、睡眠不足、不規則な食生活、運動不足などが挙げられます。上盛下虚證になると、上半身にはのぼせ、ほてり、頭痛、めまい、イライラなどの症状が現れやすく、下半身には冷え、むくみ、腰痛、膝痛、頻尿などの症状が現れやすくなります。また、上盛下虚證は、不妊や流産の原因にもなると考えられています。
上盛下虚證の原因
-上盛下虚證の原因-
上盛下虚證の原因は主に以下の通りである。
1. -過労-
– 精神的、肉体的な疲労が蓄積すると、気血の運行が滞り、上盛下虚證を引き起こすことがある。
2. -加齢-
– 年齢を重ねると、気血の生成量が低下し、また腎の機能が低下するため、上盛下虚證になりやすくなる。
3. -体質-
– 上半身に気の巡りが良く、下半身に気の巡りが悪い体質の人は、上盛下虚證になりやすい。
4. -食生活-
– 偏った食生活を送っていると、栄養のバランスが崩れ、血虚や陰虚を引き起こし、上盛下虚證になることがある。
5. -生活習慣-
– 睡眠不足や運動不足、喫煙、飲酒などの生活習慣は、上盛下虚證を引き起こすことがある。
上盛下虚證の症状
-上盛下虚證の症状-
上盛下虚證は、上半身に熱があり、下半身に冷えがある状態です。上半身には気、瘀血、痰などの余剰があり、下半身には肝腎の陰虚があります。
上半身の症状としては、のぼせ、ほてり、頭痛、めまい、耳鳴り、口渇、便秘、尿が少ないなどが挙げられます。
下半身の症状としては、冷え、むくみ、腰痛、膝痛、足腰の倦怠感、月経不順、不妊症などが挙げられます。
上盛下虚證は、中高年女性に多くみられます。また、ストレスや疲労、不規則な生活、偏食などにより発症すると言われています。
上盛下虚證の治療
上盛下虚證の治療法としては、まず肝腎の陰虚を補うことが重要です。そのためには、滋陰補腎作用のある漢方薬や、枸杞子やクコの実などの食材を摂取することが有効です。また、上半身の気や瘀血を改善するためには、気血の巡りを良くする漢方薬や、紅花や当帰などの食材を摂取することが有効です。さらに、上盛下虚證の根本的な原因を改善するためには、生活習慣の見直しや、適度な運動を行うことも重要です。具体的には、睡眠時間を十分に確保し、バランスの取れた食事を心がけ、適度な運動を行い、ストレスをためないようにすることが大切です。また、上盛下虚證の治療には時間がかかるため、気長に治療を続けることが大切です。