腎經寒濕證とは？東洋医学の用語を解説

腎經寒濕證とは？東洋医学の用語を解説

腎經寒濕證とは？

腎経寒濕證とは、中医学の概念の一つで、腎臓の機能が低下し、寒邪と湿邪が侵入することで生じる証候のことです。腰部や膝が重く感じたり、冷えや痛みを伴い、動きが制限されることが特徴です。また、悪寒や四肢の冷え、舌苔が白く厚く、脈が濡弱という症状もみられます。肾经寒濕證は、腎陽虚と寒湿の注入により生じる証で、腰部・膝が重い感じ、冷え、疼痛および動きの制限、悪寒および四肢の冷え、白・膩苔および濡・緩脈を特徴とする。

腎經寒濕證の原因

腎經寒濕證の原因

腎經寒濕證は、主に腎陽の虚弱と寒湿の注入によって引き起こされます。腎陽の虚弱とは、腎の機能低下により、身体を温める力が弱まった状態です。寒湿の注入とは、寒邪（寒さ）と湿邪（湿気）が体内に侵入することです。腎陽の虚弱により、寒湿の侵入を防御する力が弱まり、寒湿が腎経に侵入して痛みや腫れを引き起こします。また、腎陽の虚弱により、身体を温める力が弱まり、腰部や膝が冷えたり、痛みが出たりします。

腎經寒濕證の症状

腎經寒濕證の症状

腎經寒濕證は、腰部と膝の不快な重圧感、寒さ、痛み、動きの制限、悪寒と四肢の冷え、白いまたはベタベタした苔状の舌苔、遅く湿った脈拍を特徴とします。これらの症状は、寒さや湿気への曝露、過労、慢性的なストレス、病気、怪我など、さまざまな要因によって引き起こされることがあります。腎經寒濕證は、腎陽虚と寒湿の進入によって引き起こされる証候群であり、腰部と膝の重さと痛み、寒さ、悪寒、四肢の冷え、疲労感、食欲不振、下痢、尿量の減少、睡眠障害などの症状を引き起こす可能性があります。腎經寒濕證は、腎臓や膀胱が弱っている人によくみられます。

腎經寒濕證の治療法

腎經寒濕證の腎陽虚を補い、寒湿を除去することにより、腰・膝の重さ、冷え、疼痛、動きの制限、悪寒、四肢の冷え、白・膩苔、濡・緩脈の諸症状を軽減していきます。

腎陽虚を補う中薬としては、補腎陽薬の中で最も代表的な艾葉、八味丸、金匱腎気丸、桂附附子湯、五積散、烏頭湯、独活寄生湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、附子剤、補陰薬との併用が基本で、代表的な補陰薬が六味地黄丸、杞菊地黄丸、牛車腎気丸です。

寒湿を除去する方剤には、代表的な疎風散寒薬である麻黄附子細辛湯、苓桂朮甘湯、荊防敗毒散、五虎湯、麻黄湯、防風通聖散、分利飲などがあります。また、苓甘五味姜辛湯、黄耆桂枝五物湯、黄耆桂枝湯、桂枝茯苓丸も使用されます。

腎經寒濕證の代表的な鍼灸ツボとしては、厥陰兪、志室、腎兪、命門、関元、腰陽関、気海、陰陵泉、足三里、太谿、三陰交などがあります。