東洋医学の用語『太陽病證』とは?
東洋医学の研究家
東洋医学の用語『太陽病證』について教えてください。
東洋医学を知りたい
太陽病證は、熱病の発症時に生じる太陽の経絡の証および太陽の腑の証の一般用語です。主に頭項強痛、悪寒および浮脈が発現します。
東洋医学の研究家
太陽病證は、熱病の中で最もポピュラーな証です。主な症状は、頭痛、悪寒、発熱、項強痛、悪風です。脈は浮脈で、舌は紅絳です。
東洋医学を知りたい
太陽病證の治療は、発汗を促すことが重要です。葛根湯、麻黄湯などがよく用いられます。
太陽病證とは?
太陽病證とは、東洋医学における病態の一種で、発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛などの症状を伴う急性疾患のことです。太陽病證は、太陽の経絡(人体を縦貫する気の通り道)に熱が侵入して起こると考えられており、太陽の腑(肝臓、胆嚢、小腸など)の機能が低下することにより、上記のような症状が現れるとされています。太陽病證は、通常、感冒やインフルエンザなどによって引き起こされますが、過労やストレス、不摂生などによっても発症する場合があります。太陽病證の治療法としては、漢方薬や鍼灸、温灸などが用いられます。
太陽病證の症状
太陽病證の症状は、主に頭項強痛(とうこうきょうつう)、悪寒(おかん)、浮脈(ふみゃく)です。頭項強痛とは、頭の後ろから首にかけての痛みを指し、悪寒とは、寒気を感じて体が震える症状を指します。浮脈とは、脈が浮いていて触れやすく、しかも力のない脈を指します。
太陽病證の症状には、他に発熱、頭痛、悪寒、咽頭痛、鼻水、関節痛、筋肉痛、食欲不振などがあります。発熱は、通常38度以上で、頭痛は前頭部や側頭部に起こることが多く、悪寒は寒気を感じて体が震える症状です。咽頭痛は、喉が痛む症状で、鼻水は、鼻から水のようなものが流れる症状です。関節痛は、関節が痛む症状で、筋肉痛は、筋肉が痛む症状です。食欲不振は、食欲がなくなる症状です。
太陽病證の原因
太陽病證の原因は、太陽の経絡に邪気が侵入することによって生じます。太陽の経絡は、頭部から始まって、手足の陽の経絡を循り、足の外くるぶしに終わる経絡です。太陽の経絡は、外邪の侵入を受けやすく、邪気が侵入すると、太陽病證を発症します。
太陽病證の原因となる邪気には、寒邪、熱邪、湿邪、燥邪、風邪などがあります。寒邪は、寒さによって引き起こされる邪気であり、悪寒、頭痛、関節痛などの症状を引き起こします。熱邪は、暑さによって引き起こされる邪気であり、発熱、口渇、のどの痛みなどの症状を引き起こします。湿邪は、湿気によって引き起こされる邪気であり、だるさ、倦怠感、食欲不振などの症状を引き起こします。燥邪は、乾燥によって引き起こされる邪気であり、肌の乾燥、咳、便秘などの症状を引き起こします。風邪は、風によって引き起こされる邪気であり、頭が痛んだり、鼻水が出たり、せきが出たりなどの症状を引き起こします。
太陽病證の原因となる邪気は、単独で侵入することもあれば、複数の邪気が同時に侵入することもあります。また、季節や体調などによって、太陽病證を発症しやすい時期や人が異なります。
太陽病證の治療法
太陽病證の治療法
太陽病證の治療法には、発散法、和解法、攻下法、固摂法の4つがあります。
発散法は、太陽病證の初期段階である表証に対して用いられる治療法です。表証とは、太陽の経絡の証である頭痛、項強痛、悪寒、発熱、浮脈などの症状が強く、裏証である腹痛、下痢、嘔吐などの症状があまりない状態をいいます。発散法には、麻黄湯、桂枝湯、柴胡桂枝湯などの薬剤が用いられます。
和解法は、太陽病證の進行期である半表半裏証に対して用いられる治療法です。半表半裏証とは、表証と裏証が混在している状態をいいます。和解法には、柴胡解肌湯、柴胡桂枝湯、小柴胡湯などの薬剤が用いられます。
攻下法は、太陽病證の末期である裏証に対して用いられる治療法です。裏証とは、太陽の腑の証である腹痛、下痢、嘔吐などの症状が強く、表証である頭痛、項強痛、悪寒などの症状があまりない状態をいいます。攻下法には、大黄牡丹皮湯、桃核承気湯、承気湯などの薬剤が用いられます。
固摂法は、太陽病證の回復期である正気回復期に対して用いられる治療法です。正気回復期とは、太陽の経絡の証と太陽の腑の証が共に消失し、正気が回復しつつある状態をいいます。固摂法には、人参養栄湯、帰脾湯、当帰芍薬散などの薬剤が用いられます。