東洋医学の概念『十二正經』について

東洋医学の概念『十二正經』について

『十二正經』とは何か

『十二正經』とは何か

『十二正經』とは、東洋医学において、気・血・水などのエネルギーの通り道である経絡の中で、もっとも重要な経絡のことです。経絡は、全身に張り巡らされていると考えられており、その数は三百六十以上にもなりますが、その中でもとくに重要な経絡を十二本選び、それを『十二正經』と呼んでいます。

『十二正經』は、手足のそれぞれの三陰経および三陽経の総称です。三陰経とは、肺経・心包経・脾経のことであり、三陽経とは、大腸経・小腸経・膀胱経のことです。これらの経絡は、それぞれ臓器とつながっており、その臓器の機能を調整したり、病気を治したりする役割を果たしています。

『十二正經』の経路は、人によって多少異なりますが、一般的には次のようなものです。

肺経肺から始まって、大腸、胃、脾、心臓、小腸、腎臓、膀胱を通り、足の先端まで伸びています。

心包経心包から始まって、肺、大腸、胃、脾、心臓、小腸、腎臓、膀胱を通り、足の先端まで伸びています。

脾経脾から始まって、胃、大腸、小腸、心臓、肺、腎臓、膀胱を通り、足の先端まで伸びています。

大腸経大腸から始まって、胃、脾、肺、心臓、小腸、腎臓、膀胱を通り、手の先端まで伸びています。

小腸経小腸から始まって、胃、脾、肺、心臓、大腸、腎臓、膀胱を通り、手の先端まで伸びています。

膀胱経膀胱から始まって、腎臓、大腸、小腸、心臓、肺、脾、胃を通り、手の先端まで伸びています。

『十二正經』は、東洋医学において、非常に重要な経絡です。その経路と働きを理解することで、病気の治療や健康増進に役立てることができます。

『十二正經』の構成

『十二正經』の構成

『十二正經』は、3本の陽経と3本の陰経がそれぞれ左右に存在する計12の経絡のことです。陽経は、太陽、少陽、陽明の3つがあり、陰経は、太陰、少陰、厥陰の3つがあります。

太陽経は、手足の最も外側を流れる経絡であり、少陽経はその内側を、陽明経はそのさらに内側を流れます。太陰経は、手足の最も内側を流れ、少陰経はその外側を、厥陰経はそのさらに外側を流れます。

『十二正經』は、人体の気血の流れを調節する役割を担っています。また、臓腑の機能を調節したり、病邪の侵入を防ぐ役割も担っています。

『十二正經』の役割

「十二正經」は生体内の氣血の運行路という意味で、大きく分けて手足の三陰経、三陽経の六つの経絡の総称であり、手の太陰肺経、厥陰心包経、少陰心経、足の太陰脾経、厥陰肝経、少陰腎経、手の陽明大腸経、少陽三焦経、太陽小腸経、足の陽明胃経、少陽胆経、太陽膀胱経の12本の経絡がこれにあたります。

これらの12本の「十二正經」は、生体内の臟腑と関連しており、その役割は、氣血を運行させ、臟腑の機能を維持し生理的活動を調節することです。すなわち、生体をつくる五臓六腑の活動は、十二正經によって調整されているのです。このため、例えば足の陽明胃経が虚弱な人は胃腸疾患にかかりやすく、手の太陰肺経が虚弱な人は呼吸器疾患にかかりやすいなど、それぞれの「十二正經」の虚弱によって、各臓器の機能を助ける役割を担っています。さらに、この「十二正經」の機能が正常に働くことで、免疫力を高め、疾病に対する抵抗力を強めています。

『十二正經』の治療応用

「十二正經」の治療応用

東洋医学では、十二正經は人体の経絡系において重要な役割を果たしており、その治療応用は幅広い。十二正經の治療応用において、最も重要な点は、経絡の走行と関連する臓腑や組織の機能を理解し、ツボを選択することである。ツボは、経絡上の特定の点であり、刺激することで、関連する臓腑や組織の機能を調整することができるとされる。

十二正經の治療応用において、最もよく知られている方法の一つは、鍼灸である。鍼灸は、ツボに鍼を刺入したり、灸を据えたりすることで、経絡の流れを調整し、関連する臓腑や組織の機能を改善する方法である。また、十二正經の治療応用には、指圧、按摩、推拿などの手技療法や、中薬の服用なども含まれる。

十二正經の治療応用は、さまざまな疾患に効果があるとされる。例えば、風邪、頭痛、腹痛、腰痛、肩こり、生理痛、不妊症、更年期障害、自律神経失調症、うつ病などである。十二正經の治療応用は、西洋医学では治療が難しいとされる疾患にも効果があるとされ、近年、注目を集めている。